[東京 22日 ロイター] - アジア時間の原油先物価格は一時の下げから上昇に転じ、北海ブレント先物は2019年4月以来初めて1バレル=75ドルに達した。世界的な需要回復への期待のほか、イラン産原油の供給再開見込みが後退しているが支援材料。

0400GMT(日本時間午後1時)時点で、北海ブレント先物8月限は0.26ドル(0.4%)高の1バレル=75.16ドル。一時、75.23ドルと19年4月25日以来の高値を付けた。

米WTI先物7月限は0.04ドル(0.1%)高の73.70ドル。8月限は0.11ドル(0.2%)高の73.23ドル。

21日は北海ブレントが1.9%、WTIは2.8%それぞれ上昇していた。

世界での新型コロナウイルスワクチン接種の進展を巡る楽観的な見方や、夏の旅行シーズンの需要増加期待から、両ベンチマークは過去4週間にわたって上昇してきた。

楽天証券のコモディティー(商品)アナリスト、吉田哲氏は、世界的な需要見通し改善を背景に市場のセンチメントは引き続き強いと指摘。アジア株式市場の上昇も、投資家のリスク選好度を押し上げていると述べた。

バンク・オブ・アメリカ(BofA)グローバル・リサーチは今年と来年の原油価格予測を引き上げた。今後数四半期にわたり、世界の需要は供給を大幅に上回るペースで増えると見込む。

20日付のリポートで、22年も供給不足が続くと予想。需給の逼迫によって来年は原油価格が一時的に1バレル=100ドルに達する可能性があるとした。

イラン保守強硬派のライシ司法府代表の大統領当選を受け、核合意の立て直しを巡る協議は一時休止が決まった。ライシ師は21日、協議に前向きな姿勢を示したが、米国が対イラン制裁を解除した場合でもバイデン米大統領との面会を拒否した。