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理科の教科書に書いてあるフェーン現象の仕組みですが、山の風上側で雲ができて雨が降り、風下側に吹き降りるときにフェーン現象となって気温が上昇するという分かりやすいケースは実は少数派であるということが分かりました。5月に筑波大学からリリースが出ていた内容では、富山平野でのフェーン現象の事例について、気象モデルを使い、後方流跡線解析と呼ばれる手法で、フェーン現象を起こしている空気がどこからやってきたのかを逆にたどったところ、山の反対側の低地からやってくるよりも、多くの事例でもともと高度1.5km程度の上空にあった空気が下降してきているだけであることが分かったということです。
実はこれは今までもそうしたフェーン現象はよく観測されていると言われていたことではあるのですが、ここまで雨が降るフェーン現象の割合が少ないとは思っていませんでした。フェーン現象の時は極端に乾燥することが多いのですが、それについても、元来水分の少ない上空の空気が下降してきたからということもできます。
なぜ上空の空気が降りてくるかというと、高気圧に覆われるなどの理由により上空でも下降気流により空気が暖まっている層が形成され、それよりも下の層のほうが気温が低くなっている、沈降性逆転という状況になっていることで空気の対流が妨げられることがあるからです。沈降性逆転がちょうど上空2-3km程度のところにあると、山を越えた風が風下の低地に引っ張られるように流れ込むことがあり、これが風上側に雨を降らせないフェーン現象をもたらします。雨の降るフェーン現象に対してドライフェーンと呼ばれることもあります。富山に限らず、日本各地でフェーン現象は見られますので、研究対象を広げると非常に興味深いデータが得られそうです。
フェーン現象のイメージがガラガラと崩れる研究結果ですね。でも確かに「記録的な暑さでしたが原因はフェーン現象だと思われます」という報道があったとき、風下側に雨が降っていることは少ないなと思っていました。

ただ、理科の教科書に載っている、雨を降らせるタイプのフェーンは、「湿った空気が上昇しても気温が下がりにくい」ということを知る貴重な事例なので、掲載はなくならないんだろうなあ…。