2021/6/21

サッカークラブのトークン人気沸騰。なぜ、高値がつくのか

スポーツライター
アメリカを中心にNFTが盛り上がりを見せる一方、今、日本のサッカークラブで広がりつつあるのが「トークン」だ。
長引くコロナ禍でスタジアムへの観客動員が制限されるなか、新たな収益源になるだけでなく、投票企画などを通じてサポーターとコミュニケーションを深める手段として注目を集めている。
興味深いのは、J1で優勝を争うような“ビッグクラブ”ではなく、Jリーグ加盟を果たしていない“スモールクラブ”が次々と売り上げを伸ばしていることだ。
『キャプテン翼』の原作者である高橋陽一氏が代表取締役を務める南葛SCは6月17日、フィナンシェ社を通じてトークンの発行・発売を開始。1時間で約150万円という好調なスタートを切ると、20日11時時点で320人から1989万円を売り上げた。
社会人リーグを舞台に戦う南葛SC(写真:松岡健三郎/アフロ)
東京都葛飾区からJリーグ入りを目指す南葛SCは現在、関東リーグ2部(J6相当)に所属。世界中のサッカーファンが知る“アイコン”を持つとはいえ、知る人ぞ知るという存在だ。
なぜ、そんなクラブのトークンがこれほど人気を呼んでいるのだろうか。

目標額50万円、売り上げ4947万円

Jクラブでトークン発行の先陣を切ったのが、J1の湘南ベルマーレだった。
1月21日にフィナンシェ社を通じて売り出すと、約2カ月の1次販売期間で576万円を売り上げた。
当時、日本でトークンの認知度は決して高くなく、ベルマーレは目標額を200万円に設定していたところ、倍以上の売り上げとなった。
そして1カ月ほど後の4月後半、誰も予期しなかった“バブル”が起こり始める。
この波に乗ったのが、J3の横浜スポーツ&カルチャークラブ(Y.S.C.C.横浜)だった。約2カ月の1次販売期間で4947万円を売り上げている。
「想像だにしていなかったので、正直、驚きしかないです」