【山形浩生】あなたは、“本当に”資本主義を理解しているか
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当初、ピケティの主張する
>「うちの国のほうが税金安いよ。いらっしゃいませ」みたいな話が頻出しないように、世界中の銀行同士でデータを共有するべきだと。そのシステムを国際的に作ろうという試みです。<
・・というのは絵空事だとも思われたのですが、バイデン政権の登場によって、この動きが見られるようになってきました。
イエレン財相も
>数十年間、自滅的な国際税制競争に参加しており、法人税を引き下げ、他国が更に引き下げるのを見守るだけだった。
・・そんな事をして勝った国は無い。<
と述べるに至っています。
https://twitter.com/SecYellen/status/1410624464799375360
この転換の契機としては、中野剛志氏が述べるように「中国の台頭により、アメリカを脅かすようになってきた。そこにコロナパニック(戦争相当の事件)が生じたため、方向を大胆に転換する事になった。
・・という著書「富国と強兵」の内容が正しかったという事が立証されたように思います。
(現実を見ずに数式をいじるような)経済学の主流な理論は大きく見直されなければならない時期にきているのではないでしょうか。
・・ちなみに、この記事から「資本主義とは何でしょうか?」というのは、あまり理解できなかったです・・
しかも最後の章で、突然おかしなお話になっていますよね。
>
日本においては不動産を持っている人と、持たない人とで小さな格差が(略)
─(略)マイホームのために長期ローンを組むのは
<
マイホームのためにローンを組むのは基本的に資産形成じゃないし、ましてや資本形成じゃないぞ。株式投資も資本形成じゃないぞ。
「資本主義とは何か?」が理解できていれば、「日本はこれから人口が減少するのだから、経済成長できない」という理屈が相当にデタラメだと理解できそうにも思います。
「資本」とはカネや儲けの事ではありません。
注目のコメント
文中の「「r>g」は“理論”ではなく“事実”であることを浮き彫りにしました」の表現が興味深いですね。
これの表現には、経済学では理論が飛躍しすぎて、必ずしも事実に即さないことが往々にしてあることを含んでいると思います。ベストセラーであるトマ・ピケティ著『21世紀の資本』を筆頭に、数ある経済専門書を翻訳してきた翻訳家/評論家の山形浩生さんに「資本主義ってなに?」をぶつけてきました。
資本主義という世界のなかで生きていながら、その実それがなにかをあまりわからず生きていた自分ですが、山形さんへの取材を通してその一端が垣間見れたかなと思っています。
資本主義ときくと「格差」「人権問題」「環境問題」など、少なからずネガティブな影響を受けますが、ベースを理解すれば、構造のポジティブな面とネガティブな面の両方から議論ができます。その一助になると幸いです。山形さん今度某所でお会いすることになっているのですが、お顔を初めて拝見しました。
ピケティの世界全体で逃げ場なく累進課税するには、課税権という国家の主権を侵食する必要があるので、結局権力闘争だよなと思ったり。
サンデルの新著にもありますが、能力と成功は相関もないですし、能力主義は人種性別の平等を推し進める功績はあったものの、結局社会の流動性を高めることはできず、運でしかない勝者を称賛し敗者を侮辱するレトリックを正当化するという弊害が拡大しています。
斎藤さんの「脱成長コミュニズム」など、資本主義の弊害への処方箋がさまざま提案されていますが、何が良いかというより、結局大多数が共感するレトリックが最終的な社会のルールを作っていくので、それがなんなのかを最初に探し当てた人が勝つんでしょうね。
そして、他の人よりも「勝つ」ことを目的に投資を勧めても社会的な解決にはならない。