[東芝 18日 ロイター] - 梶山弘志経済産業相は18日の閣議後会見で、東芝の株主総会に関する外部調査報告書の中で、当時の商務情報政策局情報産業課課長が東芝に対して情報を漏らしていたと指摘された点について、文書に機密性はなく、情報漏えいには当たらない、との認識を示した。また、経産省として独自調査は行わない考えを改めて示した。

梶山経産相は、東芝の筆頭株主であるエフィッシモ・キャピタル・マネジメントからは、すでに多くの株主・投資家に対して広くレターを配布していると聞かされていたこと、エフィッシモとの打ち合わせで問題ないためレターを提供すると言われていたことなどから「レターに機密性はないと認識していたと事務方から聞いている」とし、「守秘義務違反の問題になるようなものではないし、情報漏えいには当たらないと思っている」と述べた。経産省は、国の安全確保に支障を生じる恐れがないかという観点から、東芝との間でコミュニケーションを取っていた一方で、エフィッシモからも株主提案についての意見を求められていたという。

梶山経産相は「国の重要な技術、重要な産業に関心を持ち、担当課長がやり取りを行うのは当たり前のこと」と述べた。さらには「調査報告書には事実でない点、あいまいな点も含まれており、調査しないことにしている」との立場を繰り返した。

また、東芝が、米ハーバード大学の基金に議決権を行使しないよう当時経産省参与だった水野弘道氏に事実上交渉を依頼したとされる点については「交渉を依頼した事実はない」と改めて否定した。水野氏も、調査時のヒアリングで経産省から依頼を受けたという認識は持っていないと述べていたにもかかわらず、調査報告書には反映されていないと指摘した。また、梶山経産相は、水野氏とハーバード大基金との関係にコメントする立場にはないとした上で「シニアフェロ―の立場にあり、かつ友人としてハーバード大基金からエフィッシモとの資本関係を踏まえて助言を求められ対応していた。助言については、感謝をされていた、と発信していると承知している」と述べた。