2021/6/18

【3分解説】マイクロソフトがゲームに「本気」な理由

NewsPicks編集部 記者
マイクロソフトは、会社を挙げてゲーム事業に「オール・イン」だ──。
6月中旬、世界最大のコンピューターゲーム見本市「E3」開催のタイミングに合わせ、マイクロソフトのサティア・ナデラCEO(最高経営責任者)はこう宣言した。
オール・インとは、ポーカーにおける手持ちのチップ全てを賭ける行為を指す。ゲーム事業に積極的にリソースを割いていく姿勢を示した形だ。
1.94兆ドル(約215兆円)という世界第3位の時価総額を誇るマイクロソフト。
ワードやエクセルなどのオフィス製品やクラウドサービスの印象が強い同社だが、近年はゲームの戦略的重要性が増しているとナデラは言う。
2014年にCEOに就任したナデラは、既存のソフトウェア売り切り型ビジネスに固執していたマイクロソフトを改革し、より成長性の高いサブスクビジネス、クラウドに投資して成長へと導いてきた立役者だ。
6月16日には、ナデラが会長職も兼務することが発表された。CEOと会長を兼務するのは、共同創業者のビル・ゲイツ以来21年ぶりとなる。
任天堂やソニーなど手ごわい競合がいる家庭用ゲーム機市場において、ここ数年マイクロソフトが手掛けるXbox(ハード事業)の売上は減少傾向にあった。
そんな中、ナデラは自社のハード事業と「カニバり」うる新たな領域への投資を加速させている。
ナデラはゲーム事業をどうやって成長させるつもりなのか。その戦略を3分で解説する。
INDEX
  • ゲーム事業の「現在地」
  • 2つの「方向転換」
  • 「カニバる」領域への挑戦
  • 「これから」のゲーム

ゲーム事業の「現在地」

まずは、マイクロソフトにおけるゲーム事業の位置づけを確認しておこう。