(16日の以下の記事で、本文最終段落の脇田座長の名前の「宇」を「字」に訂正します)

[東京 16日 ロイター] - 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身茂会長は16日の会見で、まとめる意向を国会で表明している東京五輪・パラリンピックに対する提言について、20日より前に提出することを確認した。内容について、専門家の間で大きな方向性はまとまっていると説明した。

政府が16日に分科会に示した、緊急事態宣言などが解除された地域でのイベント制限案について、あくまで定期的なイベント制限の見直しの一環だと指摘。「五輪とは関係ないとの前提で了承した」と説明した。

加藤勝信官房長官は同日午後の会見で、緊急事態宣言が解除された地域のイベント制限について、7月から8月末までの1カ月間に会場定員の50%以下​か1万人以下にする案を分科会に示したと説明した。 これまでは、緊急事態宣言とまん延防止等重点措置の対象地域での観客の動員は定員の50%以下か、 5000人以下の少ない方の規模が適用され、解除後は6月末まで50%か5000人の大きい方が適用されることとなっていた。

専門家の間で政府案に対する反対はなかったが、「1万人という数字の持つメッセージについて、上手に説明することが必要との指摘があった」(尾身会長)という。

同席した厚労省の専門家組織の脇田隆字(訂正)座長は、京都大学大学院教授の西浦博氏が提出した、高齢者のワクチン接種が進んでも8月中旬までに緊急事態宣言相当の流行になることが避けられないとの推計について、変異株(デルタ株)への置き換わりや、人流増加など一定の仮定を置いて試算したものだと指摘。その場合に「(政府基準で感染状況が最も深刻な)ステージ4となる地域が現れると推計したもの」と説明した。