[メルボルン 15日 ロイター] - 西オーストラリア州のマクゴワン首相は15日、豪政府は最大の貿易相手国である中国の反感を買う言動をやめるべきとの考えを示した。

石油ガス業界の会合で「他国に対し卑屈に振る舞ったり、屈したりするということではない。国益にかなう必要があるということだ」と述べた。

オーストラリアは昨年、新型コロナウイルスの起源を巡り独立した調査の実施を呼び掛けたことを受けて中国との関係が悪化。中国は大麦や石炭、ロブスター、ワインなどの輸入品に報復措置を講じた。

マクゴワン氏は「われわれの繁栄の資金源となり、わが国を前進させる貿易関係において向こう見ずな言動を取ることが、一体何の国益になろうか」と述べ、連邦政府は対立や貿易での報復に関する発言をやめるべきだと訴えた。

主要7カ国首脳会議(G7サミット)は13日発表した共同声明で、中国に対して新彊ウイグル自治区での人権尊重や香港の高度の自治を求めたほか、東・南シナ海での一方的措置に反対する姿勢を示し、中国は声明を非難した。ゲストとして参加したモリソン豪首相は、バイデン米大統領とジョンソン英首相と会談し、インド太平洋の安全保障などについて協議した。

西豪州の最大の輸出品目である鉄鉱石や液化天然ガス(LNG)は今のところ中国の報復措置を回避している。中国は鉄鋼産業による豪産鉄鉱石への依存が大きいほか、石炭からの排出削減に取り組む中で発電燃料として天然ガスへの依存も高まっている。

西豪州の昨年の対中輸出額は1040億豪ドル(800億米ドル)で、豪州全体の対中輸出の71%を占めた。