[東京 15日 ロイター] - 梶山弘志経済産業相は15日の閣議後会見で、東芝は安全保障の観点から国の重要な企業と位置付け、外部弁護士による調査報告書で指摘された経産省の東芝への対応は「経産省の政策として当然のことを行っているまで」とした。また、報告書にある事実関係には疑問を持たざるを得ない部分もあるとし、経産省として独自調査を行わない考えも明らかにした。

梶山経産相は、今回の報告書は「社内の調査の報告書という位置付けでみている。全て事実だとは思っていない」との受け止めを示した。その上で「推論で断定されたものについては(根拠が)明確ではないため、ひとつひとつコメントする予定はなく、(独自)調査をする予定もない」と述べた。

東芝の調査報告書には、経産省と東芝が一体となって一部株主に不当根影響を与えたと記載されている。梶山経産相は、コーポレートガバナンスは重要であり、一般論としては「個別企業に今回のような対応を行うことはない」とした上で、「ただし、国の安全確保は経済活動の大前提となるもの。国の安全確保や事業や技術の発達という大前提が損なわれる恐れがある場合には、当然、それに関係する個別企業への対応を行うこともある」と述べ、今回の対応には問題がなかったとの認識を示した。

梶山経産相は、東芝を福島第1原子力発電所の廃炉事業への取り組みのほかレーダーなど国の安全保障に関する技術開発を担っているトップメーカーと位置付け「日本にとって重要な企業だと認識している」と述べた。

今後については「東芝の動きを注視していく」との従来の姿勢を改めて示した。