[ジュネーブ 14日 ロイター] - 世界貿易機関(WTO)のオコンジョイウェアラ事務局長は20日、新型コロナウイルス対策に用いられる医療用品に関する貿易障壁が高まっていると指摘し、加盟国に対し取り除くよう求めた。

国連のオンラインフォーラムで述べた。

同事務局長はパンデミック(世界的な大流行)に関連した物品貿易の障壁に言及し「この傾向は間違った方向に向かっている」と述べた。その上で、「これらの障壁を撤廃し、医療用品やワクチンを迅速に動かせるようにすべきだ」とした。

同事務局長によると、昨年初めのパンデミック初期には109件あった貿易制限の数は、その後51件に減少したが、再び53件に増加したという。

また、新型コロナワクチンの分配を改善するため、製薬会社に特許の一部放棄を要請することを巡る協議で、7月までに加盟国間で合意に達するよう呼びかけた。発展途上国の多くは一部放棄に賛成しているものの、複数の富裕国が製薬会社の研究を妨げるとして強く反対している。