[ローマ 11日 ロイター] - イタリア銀行(中央銀行)は11日、今年の国内総生産(GDP)成長率予測を引き上げ、5%近くになるとの見通しを示した。新型コロナウイルス感染状況の改善と第1・四半期GDPの上方改定を理由に挙げた。

イタリア政府が4月に公表した最新予測の4.5%を上回った。

中銀は、来年の成長率は4.5%に鈍化すると予想。政府予測の4.8%を若干下回った。

2021、22年ともに投資が経済成長のけん引役になると見込む。コロナのパンデミック(世界的大流行)に絡む不透明感の低下や低金利、欧州連合(EU)復興基金の支援を受けたプロジェクトが寄与し、投資は「著しく増える」見通しだとした。

中銀は、公式な21年成長率予測は4.4%だが、これは第1・四半期GDP改定値が発表される前に算出されたと説明。GDP改定値は平均成長率を「0.5%ポイント以上」押し上げるとした。

イタリア国家統計局(ISTAT)が今月1日発表した第1・四半期のGDP改定値は前期比0.1%増加し、速報値の0.4%減からプラスに修正された。

中銀の今年の成長率予測は1月時点で3.5%だったが、4月におそらく4%を上回るとの見方を示していた。昨年はコロナ対策の封鎖措置が響き、マイナス8.9%と、戦後最大の落ち込みを記録した。中銀は、来年中にはコロナ前の水準に回帰すると予想した。