2021/6/16

【超入門】なぜ、IPO株は儲かるのか?

編集者
IPO株は儲かる──!
個人向けのマネー誌で、必ずといっていいほど組まれる特集だ。
IPO株は、証券会社に口座を持ってさえいれば、誰でも抽選に参加できる。
見事当選すれば最高だ。なにしろ、上場前にあらかじめ決まった価格(公募価格)で購入して、上場日に初めてつく株価(初値)で売るだけで、「かなりの確率で儲かる」と言われるからだ。
これは、投資によくある詐欺的な「うまい話」ではない。不思議なことに、事実なのである。
となると、あとは証券会社によってIPO株の配分数が大きく違うから、「たくさんIPO株を持っている証券会社に口座を持つのがおすすめ」──などとうたわれるというわけだ。
こうしたIPO株の事情は、何も日本に限った話ではない。ほぼ世界中で起きていることなのだ。
そして、アメリカでSPACがブームになった根底にある「最大の問題」も、実はこのIPO株の不思議にある。
一体どういうことなのか。特集第3回では、IPO株の価格の秘密について長年研究する、慶應義塾大学の金子隆・名誉教授の「IPO株入門」をお送りする。
本邦初公開となる衝撃のデータとともに解説しよう。
INDEX
  • まずはIPOのしくみから
  • ①IPO株は、いくら儲かるのか?
  • ②IPO株は、なぜ儲かるのか?
  • 起業家やVCが怒る理由
  • IPO経済損失、8885億円
  • IPOというブラックボックス
  • 投資家を優遇する理由
  • IPO株、本当の証券会社ランキング