(ブルームバーグ): 国際エネルギー機関(IEA)は11日公表したリポートで、世界の石油需要は来年後半に新型コロナウイルス危機前の水準に回復すると予測し、石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」に対し、余剰生産能力を活用して市場の需給バランスを保つよう促した。

IEAは向こう1年の詳細見通しを初めて示し、先進国・地域が新型コロナ感染拡大を収束させるのに伴い、世界の石油消費が2022年下期に日量1億バレル超を回復すると予想した。コロナ禍による社会の変化の結果として石油需要は既にピークを過ぎたとの観測に根拠がないことを示唆した。

IEAはサウジアラビアとロシアが率いるOPECプラスに対し、昨年の需要減小で落とした生産量の回復を続けるよう求めた。

「OPECプラスは世界の石油市場への十分な供給を維持するために、蛇口を開く必要がある」と論じた。市場の均衡を保つために必要なのはOPECプラスの余剰生産能力の2割にすぎないため、需要拡大への対応が「問題となる可能性は低い」と分析した。

原題:Global Oil Demand to Reach Pre-Virus Levels Next Year, IEA Says(抜粋)

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