[10日 ロイター] - 米電気自動車(EV)大手のテスラは10日、「モデルS」の上位車種「プレイド」を発表し、11日0200GMT(日本時間午前11時)から初回生産分が出荷される様子を生配信した。

マスク最高経営責任者(CEO)は、米カリフォルニア州フリーモント工場からの生配信に黒いレザージャケットを着て登場。モデルSプレイドでテストコースを走行した後、「どんなポルシェよりも速く、どんなボルボよりも安全だ」と述べた。

その上で「この車は素晴らしい。持続可能なエネルギーを持つ車は、最速の車であり、最も安全な車であり、あらゆる面で最高の車になる」とした。

次四半期には週当たり1000台の生産を見込んでいるという。

同社はこのイベントに先立ち、プレイドの価格を12万9990ドルとし、数日前にウェブサイトに掲載されていた価格より1万ドル引き上げた。長距離航続が可能なタイプのモデルSは7万9990ドル。

コンサルティング会社オートパシフィックのエド・キム氏は「モデルSプレイドは、現在のオーナーのテスラ離れを阻止するためのものであることは間違いない」と指摘。「モデルSプレイドは限定生産の象徴的な車種で、テスラの広告塔の役割を果たすことを目的としている。テスラが顧客基盤を拡大するためには、同社の電動ピックアップトラック『サイバートラック』や電動トラック『セミ』のような新車種の展開を成功させることが必要だ」と述べた。

プレイドは高級車市場でポルシェやメルセデス・ベンツなどとの競合を目指す。ネット上ではすでに公開されていたが、発売は遅れており、発売記念イベントも6月3日から10日に延期されていた。

第1・四半期のモデルS/Xの納入台数はわずか2020台と、前四半期の1万8920台から大幅に減少。生産の遅れが影響した。