[ワシントン 9日 ロイター] - 米下院議員らが、反トラスト法(独占禁止法)を巡る5つの法案の策定に取り組んでいることが、複数の関係筋の話で分かった。このうち4つはIT(情報技術)大手を標的にしている。法案は数日中に提出される可能性がある。

ロイターは5つの法案の討議草案を確認した。関係筋によると、法案は提出前に変更される可能性もある。

5つのうち2つの法案はアマゾン・ドット・コムのようなプラットフォームが、企業に商品を販売する場を提供し、その商品と競合している問題に対処する内容。

このうち1つの法案では、ほとんどの場合においてプラットフォームが自社の製品をプラットフォーム上で有利に販売することを違法とし、違反した場合には影響を受ける事業者の米国での売上高の30%の罰金を科す可能性がある。

2つ目の法案は、プラットフォームが保有する事業がプラットフォーム上で自社の製品や事業を有利にする動機をもたらしている場合にその事業の売却を義務付ける内容。

3つ目はプラットフォームの合併を阻止する法案で、合併先について、プラットフォームが展開する製品やサービスと競合しないことを示せない限り適用される。

4つ目の法案では、ユーザーの希望に応じて、競合する企業などへの転送も含め、データの転送方法を設定することをプラットフォームに義務付ける。

5つ目は、司法省と連邦取引委員会(FTC)が主要企業の合併の合法性審査に課す料金を引き上げ、これらの機関の予算を増やす上院の法案と同様の内容という。

米下院司法委員会の反トラスト小委員会は2020年10月、巨大IT企業に対する反トラスト法調査の報告書を公表し、買収を通じて競合を排除するなど支配的な地位を利用していると指摘、広範な規制改革を求めた。