2021/7/16

【ドムドム 社長】新橋で居酒屋2軒を起業、繁盛店になる秘訣

ライター&エディター
今、日本最古のハンバーガーチェーン「ドムドムハンバーガー」が注目を浴びている。ソフトシェルクラブを一匹丸ごと豪快に挟んだ「丸ごと‼カニバーガー」などの斬新な商品でネット上を沸かせ、人気ファッションブランドとのコラボで若者の心をつかむ。

老舗でありながら数年前まで衰退の一途をたどり、2017年にはレンブラントホールディングスに経営権を譲渡。現在、ドムドムの指揮を執るのは、39歳まで就職経験のない主婦だった異色の経歴を持つ藤﨑忍社長だ。社長就任から2年半、2021年3月決算で事業譲渡後、初めて黒字を果たした。

近年、アメリカ発の高級グルメバーガーの上陸を機に、「低価格で手軽」というハンバーガー業界の概念が変わりつつある。その中で、復活の兆しを見せるドムドムハンバーガーの戦略とはどのようなものか。藤﨑氏が、波乱万丈な半生を振り返りながら明かす。(全7回)
藤﨑 忍/ドムドムフードサービス 社長
1966年東京生まれ。青山学院女子短期大学卒。21歳で政治家の妻になり、39歳まで専業主婦だった。夫が病に倒れ、生活のために働き始める。最初はギャルブームの頃のSHIBUYA109のアパレル店長。若い店員とのコミュニケーションがうまく、また店頭ディスプレーのセンスも良く、店の売り上げを倍増させた。次は新橋の居酒屋の女将に。料理の美味しさや接客の良さで一躍人気店になった。その腕を常連客に見込まれ、ドムドムバーガーのメニュー開発顧問に。「手作り厚焼きたまごバーガー」をヒットさせ、ドムドムフードサービスに入社。わずか9カ月で社長に就任する。初の著書『ドムドムの逆襲 39歳まで主婦だった私の「思いやり」経営戦略』を2021年7月に発売した。
INDEX
  • 「サラリーマンの聖地」新橋へ
  • 自分の飲食店を起業
  • 予約必須の繁盛店に成長
  • 2軒目を開店

「サラリーマンの聖地」新橋へ

5年間勤めたSHIBUYA109のセレクトショップを辞めることになったのは、経営方針の変更により新しい後継者が来ることになったからです。
アパレルの仕事は好きだったので自分で109にお店を出そうかとも考えたのですが、資金どころか生活のための蓄えもありません。すぐにでも働き始めたいと向かったのが東京・港区の新橋でした。
夜の新橋駅付近(写真:TAGSTOCK1/iStock)