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中国政府はASEAN10カ国の外務大臣を重慶に集め、ミャンマー問題について、共同声明を出しました。このうち、ミャンマーを代表していたのは、国軍が任命した外務大臣です。
 つまり、中国政府が東南アジア諸国の代表を集め、国軍を正統な政府だと認めさせる場でした。東南アジア諸国の内、シンガポールの外務大臣が多少の抵抗を試みましたが、他の国は反論らしい反論もしませんでした。
 なお、「暴力の即時停止」というのは、世界のどの国でもいうし、ミャンマー問題について声明を出す時の決まり文句なので、意味はありません。実質的に何かを求める圧力とかではないです。国軍の立場は「治安の維持」をしているだけなので、もちろん暴力など行使していない、というものです。
 中国政府は、この場で、ワクチンの提供や、インフラ建設支援など、今の東南アジア諸国がミャンマーのことなどよりも喉から手が出るほど欲しがっているカードを並べ、ミャンマー問題などおくびにも出さない国ばかりでした。ワクチンもインフラも中国に支援してもらう必要などない、という国は、シンガポールだけであるともいえます。
 国軍と対立する国民統一政府の側では、中国とASEANへの反感が高まり、抗議行動の中で中国国旗やASEANの旗を燃やす様子があちこちで見られます。「ASEANには何も期待しない」「国軍を倒したら、ミャンマーはASEANから脱退しよう」といった意見も増えました。
これは効果的ではないか。欧米は経済制裁をかけたが、実は、ミャンマーの輸出と輸入とも最大の貿易国は中国。王毅外交部長は「ASEANの合意を実行し、再び暴力事件が発生するのを避け、民主化プロセスが再開することを支持する」と求めたということなので、ASEANにも貸しを作った。
ミャンマーの代表が誰かという論点ですが、ASEAN会合以外でも、国連関連の会合で各省庁の幹部級等ですでに結構な数で、軍政統制下の幹部や「閣僚」が出席しています。(他方、いくつかの国際組織では頭の痛い問題と認識し扱いを検討しているケースも)中国が受け入れているのは規定路線です。

私が注目をしているのは、先般、AIIBが政治体制を問わずプロジェクトの中身次第で支援はすると発言している点です。その延長線上で、中国ASEAN外相会合を位置付けるべきかと思います。

中国が命綱の一つとなる可能性があります。他方、中国の対アジアアフリカの新興国政策について、過去の債務の罠などに対する批判なども踏まえて微妙な変化が見えつつあり、AIIBや中国ASEANといった中国主導の要素がありつつも、マルチのスキームでやっていくという兆候がより強まっている点は注目すべきと思われます。
4月のASEAN会議にミャンマー国軍の代表を招いたことにより(ASEANが意図せずとも)国軍がミャンマーの代表であることを認めてしまった、このASEANの失態を中国が補強する格好。
なおかつ中国がASEANの後ろ盾となることをアピールしていて余計に質が悪い。

当地でもASEANに対する失望が広がっています。
(本記事は中国の声明が出る前ですが)
https://newspicks.com/news/5920676

ASEAN is now becoming a laughing stock in the eyes of the international community, not only because it is failing to address the plight of the Myanmar people as promised but also because it has fallen into the trap of military junta leader Gen. Min Aung Hlaing.

ASEANは、ミャンマー国民の苦境に対処するという国民との約束を果たせていないだけでなくクーデータ政権のリーダーであるGen. Min Aung Hlaingの罠に陥っているという点においても世界中の笑いものになっている。
(The Jakarta Post)
王毅外相の今回の会談は6月8日ですが、これに先立つ6月5日、中国の駐ミャンマー大使がミンアウンフライン国軍最高司令官と会談し、中国はASEANとミャンマーの合意事項の履行を支持する旨を伝えています。

駐ミャンマー大使が軍トップと会談し、その反応を探ることができたわけですから、中国は自国が取るべきポジションをしっかりと見定めつつ、今回の王毅外相の各種会談に臨むことができたのではないでしょうか。
おもてだっては、中国が果たすべき役割を行動にしたと、見えるようにしたということだろう。

ただ、支援は国民のためといい、変わらぬのだという。裏では、経済的支援で軍事政権とのつながりは維持したままだ。

帝国の発想、戦略だと感じる。