[メルボルン 8日 ロイター] - 会計事務所BDOのリポートによると、オーストラリアに上場する鉱物資源探査会社が1─3月に調達した資金は23億7000万豪ドル(18億1000万米ドル)と、2013年の集計開始以降で最高額を記録した。相場が急上昇した金のほか、世界的なエネルギーシフトで需要急増が見込まれるリチウムと銅の探査企業に投資資金が流れ込んだ。

同期の調達額は新型コロナウイルスの流行当初だった20年1─3月からほぼ倍増した。

BDOの天然資源グローバルヘッド、シェリフ・アンドローズ氏は「資金が向かう先とその理由は疑問の余地がないほど明白だ」と指摘。

バッテリー原料の鉱物やクリーンエネルギーの関連企業に資金が流れ込んでいるのは、電気自動車(EV)の普及や温暖化ガスの削減目標を含むESG(環境・社会・企業統治)への取り組み拡大と整合的だとした。

1─3月に1000万ドル以上を調達した企業には、金関連企業10社、リチウム関連9社、ウラン関連4社、レアアース(希土類)関連4社、グラファイト関連4社が含まれた。

アンドローズ氏によると、金価格が新型コロナの発生以降、記録的な上昇を見せているため金関連企業が強い注目を集めたが、資金調達の勢いは既に緩んでおり、各社に十分な資本があることを示唆している。

オーストラリア証券取引所への届け出に基づき、株式発行で運転資金を調達する探査企業が集計対象となった。