2021/6/9

【超解説】なぜ今、ゲイツとバフェットは「原発」を作るのか

NewsPicks 記者
「『ナトリウム』はエネルギー業界のゲームチェンジャーになる」
6月2日、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツは、自身が会長を務めるベンチャーが開発した新型の原発の発表会でそう語り、胸を張った。
「ナトリウム」と名付けられた原子炉の建設を担うのはゲイツの友人、ウォーレン・バフェットが会長を務める米バークシャー・ハサウェイ傘下の企業だ。
いわば、新しく発表されたこの原発は、気候変動対策に心血を注ぐ億万長者2人が繰り出す「解決策」というわけだ。
福島第一原発の事故後、従来型の巨大で複雑な原発の開発は世界的に滞ってきた。三菱重工や東芝といった国内メーカーからアレバ(フランス)まで、原発を作ることすらままならない。
そんな中、より小型でシンプルな新型原発に世界が注目している。開発しているのはゲイツたちだけではなく、大小企業の参入が相次いでいるのだ。
「ナトリウム」とは、どんな原発なのか。そして今、原子力の世界で起きているイノベーションとは──。NewsPicksが解説する。
(写真:Thierry Monasse / 寄稿者)
INDEX
  • ゲイツの原発、その全貌
  • トレンドは原発の「量産」
  • どの企業がリード?
  • 脱炭素が強力な追い風に
  • 日本勢も続々参戦
  • 本当に懸念はない?

ゲイツの原発、その全貌