2021/6/11

【直撃】航空貨物はANAの「柱」になり得るのか?

NewsPicks エディター
人の移動が制限されたコロナ禍にあって、好調を維持し続けてきたのが「モノ」の移動だ。
巣ごもり消費の影響もあり、物流業界は活況で、陸運、海運業界とも好調。需給がひっするほどの状態に陥ったコンテナ業界は、本特集でも取り上げてきた。
そんな中、空の輸送である航空貨物も大きな増収となっている。人の移動が激減したことで、航空事業が苦境に陥る中、気を吐いている状態だ。
例えば、航空大手ANAグループの2020年度(2021年3月期)の国際線貨物事業の売上高は、過去最高の1605億円で、前年同期比56.3%の増収だった。
空の輸送は今、どんな状況にあるのか。物流業界では一般に「ファーストチョイスはコンテナ」と言われる中で、航空貨物の強みとは何か。
ANAグループで貨物事業を担う「ANAカーゴ」の外山俊明社長を直撃した。
外山 俊明(とやま・としあき)/ANAカーゴ社長
1960年6月10日生まれ。83年、明治大学商学部卒。90年5月、全日本空輸(ANA)入社、同年7月より営業本部貨物事業部貨物郵便営業部。貨物畑を中心に歩み、2014年4月よりANAカーゴ出向。16年4月より現職。ANA取締役常務執行役員、貨物事業室長を兼務。(写真:竹井俊晴)
INDEX
  • およそ2割が「船落ち」
  • ワクチン輸送時の「難しさ」は?
  • 航空貨物が使われる「3条件」
  • 航空貨物は「EC」が鍵
  • 「社内での立場」は?

およそ2割が「船落ち」

──航空貨物事業の好調に、コンテナ輸送の混乱の影響はどのくらいあったのですか?