2021/6/7

【冨山和彦】脱炭素時代、僕らに残された「たった一つの道」

NewsPicks記者
2021年4月、産業界に衝撃が走った。
2030年に、二酸化炭素(CO2)排出量を2013年度比で46%減らす──。菅義偉首相が、アメリカの主催で開かれた「気候変動サミット」でぶち上げた目標だ。
日本の従来の削減目標は26%。そこから2割引き上げられた目標を前に、多くの業界や企業は困難なチャレンジを迫られることになる。
特に切迫した状況に置かれているのが、CO2排出量の4割を占める発電分野だ。福島原発事故後の10年間、日本は原発を止める代わりにCO2を大量発生させる火力発電に頼ってきたからだ。
電力業界にとって2030年は、そう遠い未来ではない。発電所を一つ作るだけでも膨大な時間がかかるため、そう素早く変わることはできないのだ。
まさに「喫緊の課題」として登場したCO2の削減。本特集では、日本の電力における脱炭素にはどんな選択肢があるのか、当事者たちの声を通じてお届けしていく。
初回に登場するのは、経営共創基盤会長の冨山和彦氏。
カネボウから日本航空(JAL)まで、数多くの企業の再建に取り組んできた冨山氏は、2017年から2020年まで東京電力の社外取締役を務めた経験を持つ。
そんな冨山氏に、カーボンニュートラル時代の日本の「勝ち筋」を聞いた。
INDEX
  • 日本は「持たざる国」
  • 問題の本質は「大量生産」
  • 製造業よ、腹をくくれ
  • 誰も原発を理解できていない
  • 日本は既存型の原発に「向いていない」
  • 再エネは「カネ」では解決しない

日本は「持たざる国」

──2030年の温室効果ガス排出削減目標達成に向け、発電分野の脱炭素化が求められています。
冨山 日本は「持たざる国」だということを、しっかりと認識しなければいけません。