[ニューヨーク 4日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドルが軟化した。米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想に届かなかったことで、連邦準備理事会(FRB)が早期に金融引き締めに着手するとの観測が後退した。

労働省発表の5月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比55万9000人増と、底堅い伸びを示したものの、市場予想の65万人に届かなかった。

OANDAのシニア市場ストラテジスト、エドワード・モヤ氏は「雇用者数の伸びはやや残念だった」とし、このことはFRBがテーパリング(量的緩和の縮小)着手を急ぐ必要がないことを示していると指摘。「経済にとり悪いニュースは、超緩和的なFRBにとっては朗報となる」と述べた。

ナショナル・バンク・オブ・カナダのエコノミスト、ジョセリン・パケ氏は、5月の伸びを勘案しても米国の非農業部門雇用者数は新型コロナウイルス禍前の水準をなお760万人下回っていると指摘。「米労働市場の回復にはまだ長い道のりが残されている」と語った。

終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.38%安の90.135。一時は3週間ぶりの高値を付けていた。

エクスチェインジ・バンク・オブ・カナダの外為戦略部門責任者、エリック・ブレーガー氏は「週末に入るにあたり、ドルに対するいくらかのマイナスの流れが出ている。週明けアジア時間の取引にこうした流れが受け継がれる可能性がある」と述べた。

ユーロは対ドルで0.31%高の1.21650ドル。円は対ドルで0.71%安の109.505円。

中国人民元は1ドル=6.40元を超えて軟化。中国人民銀行(中央銀行)は、人民元相場の急激な上昇の抑制に動いている。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは5.3%安の3万7155.27ドル。イーサは4.2%安の2697.43ドル。米テスラのマスク最高経営責任者(CEO)がビットコインとの「別離」を示唆したことが売りにつながった。

ドル/円 NY終値 109.49/109.52

始値 110.13

高値 110.16

安値 109.37

ユーロ/ドル NY終値 1.2165/1.2169

始値 1.2106

高値 1.2185

安値 1.2108