2021/6/6

【新常識】日立が「実務型インターン」に本気な理由

NewsPicks ジャーナリスト
日立製作所が、採用に直結するジョブ型インターンシップに乗り出した。
それが意味することは、これからのインターンは「就業」体験ではなく「実務」体験となり、ひいては「採用機会」になることだ。
従来、採用と絡んだインターンは、外資系やスタートアップなど一部の企業だけが実施してきた。一方、日本の大半の大企業は、政府の方針もあり、つい最近までインターンを採用に結びつけることを表向きには控えてきた。
ところが一転、企業(経団連)と大学が採用直結インターンの推進に向けて舵を切りつつある。日立の例を皮切りに、採用直結インターンが当たり前になるかもしれない。
そこで、日立の人事改革を主導してきた人事のトップ、中畑英信代表執行役執行役専務に直撃。
過去10年にわたって旧来のメンバーシップ型雇用を改めて、ジョブ型雇用へと切り替えてきた日立の最新の取り組みに迫る。
INDEX
  • なぜ採用直結インターンなのか
  • インターンもジョブ型で
  • 学業をちゃんと評価します
  • ジョブ型へ「3つのステージ」

なぜ採用直結インターンなのか

──まず、日立がジョブ型雇用へと切り替えている背景について教えてください。
1年前の日立には、グローバル全体で従業員が約30万人おり、そのうち日本が16万人、海外が14万人でした。
その時点でも、海外人材が増えているので、日本独自の働き方が通用しないと言っていました。
それが今や、日立の人材は(海外企業の大型買収もあって)グローバル全体で35万人になりました。
さらに7月には、(1兆円かけて日立が買収する産業系ソフトウエア会社)アメリカのグローバルロジックが加わる予定で、日立はグローバルで37万人いる会社になります。そのうち海外が21万人と、全体の過半を占めるようになります。
これは、(新卒一括採用や年功序列のような)日本型の働き方をますます見直していかなければならない状況だということです。
──実際、日立は2021年から非管理職もジョブ型制度の対象にするなど、ジョブ型の浸透を進めてきました。
ジョブ型雇用が組織全体に広がっていくと、採用プロセスそのものが変わってきます。