ブラックロック、開示不十分なら役員選任反対
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いまでも「物言う株主」だなんて書かれてしまうくらい、日本では「何事もなく」「つつがなく」が好まれていた株主総会。それを受けて日本が生み出した最高傑作が「シャンシャン総会」。
でも、世界最大の運用会社であるブラックロックや世界最大のアセットオーナーである日本の年金基金GPIFがESGに本気でコミットすることを宣言したので、もはや物言う株主しかいなくなったと言っても過言ではありません。
GPIFのESG投資もESG指数に連動する運用資産5.7兆円だけが注目されがちです。ところが、債券や株式、オルタナティブ資産ひっくるめて、GPIFとしてのスチュワードシップ責任から企業との対話=エンゲージメントを通じてESGを推進しているのが実情。
GPIFは、ESG指数で買っている資産だけでなく、すべての受託運用機関に対して投資先企業にESG課題の特定、実行計画、進捗状況のモニタリングを推進するよう働きかけを指示しています。
つまり、GPIFは151兆円の全資産がESGの対象。完全に振り切っているわけです。これは公式サイトで公表している「2019年度ESG活動報告」にも記載されていますが、意外に知られていません。
大口顧客であるアセットオーナーのご意向は絶大ですから、GPIFからお仕事をいただいている受託運用機関は仕事を失ってはたまりません。現在すべての1部上場企業に対して順番に対話を進めています。
気候変動対策についてもグローバルなイニシアティブClimate Action100+やネットゼロ・アセットオーナー・アライアンス、ネットゼロ・アセットマネージャーズが温室効果ガスをモクモク排出している企業に対して働きかけをしています。
ダメな会社の株は売ってしまえといったダイベストメントは本質的な解決にはなりません。現在投資対象となっている企業には、将来にわたって魅力的な投資対象企業であってほしいわけです。
サステナブルな企業に変身してもらうよう機関投資家はエンゲージメントを強化していきます。株主として当然と言うか、普通の行動。これがガバナンスです。
物言う株主とか言うのは、本当に恥ずかしいからやめて欲しい。株主はガバナンスする側なので、経営者に様々な要求するのが当たり前なので。