[ロンドン 3日 ロイター] - IHSマークイットが3日発表した5月のユーロ圏総合購買担当者景気指数(PMI)改定値は57.1で、4月の53.8から上昇し、2018年2月以来の高水準となった。新型コロナウイルス感染防止策が一部緩和され、サービス業が上向いた。1日に発表された製造業PMI改定値も過去最高を記録した。

ユーロ圏ではコロナワクチンの接種が進み、1日当たりの感染者数も減少。各国政府は行動制限の緩和に動いている。

5月の総合PMI改定値は速報値の56.9から上方修正。好不況の節目とされる50を大幅に上回った。

サービス部門PMI改定値は55.2と、約3年ぶりの高水準だった。4月の50.5から上昇し、速報値の55.1からも小幅に上方修正された。

IHSマークイットのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「ユーロ圏の巨大なサービスセクターは5月に急回復を遂げた。夏いっぱいは堅調さが続くとみられる」と指摘。「企業は、2018年初頭以降で最も旺盛な需要拡大を報告している」とした。

プレミア・ミトンのチーフ・インベストメント・オフィサー、ニール・ビレル氏は、5月PMIについて「政府の継続的な支援と欧州中央銀行(ECB)の緩和政策により、景気回復が堅調に推移することが期待される。また、世界的な景気回復に支えられている」と述べた。

ロイター調査によると、ユーロ圏の今四半期の経済成長率は1.5%となり、二番底から脱却する見通し。

開始が遅れていたワクチン接種が域内全体でペースアップした上、外出が緩和されたことで、先行き見通しについて楽観的な見方が増えた。サービス業の事業見通しに関する指数は68.4から71.2に上昇し、2004年1月以来の高水準となった。

キャピタル・エコノミクス社のジャック・アレン・レイノルズ氏は、「パンデミック(世界的な大流行)が始まって以来、PMIとGDPの関係は崩れているが、それでも、経済活動を示す指標の上昇は良い兆候だ」と述べた。