[2日 ロイター] - 11月の米ニューヨーク市長選に向けて6月22日の民主党予備選に出馬している候補者によるテレビ討論会が2日夜、行われた。

討論会では、大統領選の民主党候補指名を争ったアンドリュー・ヤン氏とブルックリン区長のエリック・アダムズ氏が激しい応酬を繰り広げたほか、他の6人の候補も両氏に批判を浴びせた。

教育、過去の実績、経済問題を巡って激論が交わされたが、銃撃事件など犯罪が増加する中、治安問題に多くの時間が割かれた。

民主党の予備選で勝利した候補が、11月のニューヨーク市長選で当選を果たす可能性が高いとみられている。

集中砲火を浴びたのは、世論調査で高い支持を得ているヤン氏。リベラル派で同市会計検査官のスコット・ストリンガー氏は、穏健派のヤン氏を「共和党員」と批判。人権弁護士で元MSNBCのアナリスト、マヤ・ワイリー氏は、ヤン氏の実業家としての雇用創出の実績に疑問を投げ掛けた。

明るい性格がトレードマークのヤン氏も、アダムズ氏を批判。「あなたは行く先々で不正を調査されている」とし、アダムズ氏が警官や州議会議員を務めていた際に倫理面の調査を受けたことを指摘した。

アダムズ氏は不正行為を否定。ヤン氏が新型コロナウイルス流行中にニューヨークを離れ、同市の選挙で一度も投票したことがないと非難した。

ここ数週間の世論調査で両氏を追い上げている元ニューヨーク市衛生局長のキャサリン・ガルシア氏は、非難の応酬にはおおむね加わらず、政府機関で働いた自らの経験をアピールした。

討論会は2時間にわたって行われた。世論調査では治安が有権者の最大の懸念事項に挙げられており、アダムズ氏は地下鉄をパトロールする警官を増やすと表明。ヤン氏も警官を大量に新規採用すると訴えた。

ストリンガー氏は、警官を増やすだけでは問題は解決しないと主張。警察予算の打ち切りを呼び掛けている元非営利団体代表のダイアン・モラレス氏は、市の警察予算が全米で「最も肥大化している」との認識を示した。