今日のオリジナル番組


詳細を確認
タブーに切り込め!ここがおかしい「日本の保険」
本日配信
128Picks
Pick に失敗しました

人気 Picker
NASAの惑星探査ミッションは3つのクラスがあります。
1. Flagship - 大型ミッション。Mars 2020 Roverとか、Europa Clipperとか。予算数千億円
2. New Frontiers - 中型ミッション。Juno, New Horizonsとか。予算1000億円くらい
3. Discovery - 小型ミッション。Psyche、Lucy, Insightとか 予算数百億円くらい

このうち2, 3は公募があり、競争的に決まります。(1はトップダウン)PIはNASAセンターでなくてもOKです。

今回はDiscoveryプログラムの最終選定結果の発表でした。最終審査に残ったのは
1. DAVINCI+ 金星
2. VERITAS 金星
3. Io Volcano Observer イオ(木星の衛星)
4. TRIDEN(海王星)

この中から1, 2が選ばれた、というのが今回のニュースです。

金星ふたつというのが大きな驚きでした。ですが考えてみれば、3のイオへのミッションは次のNew Frontiersの候補になっていますし、4は次のFlagshipで海王星ートリトンオービターが出てくる可能性が結構あるので、重複を避けた結果かもしれません。また、1, 2を同時に飛ばすことでシナジーを狙っているのかもしれません。

それと、2に技術実証としてdeep space atomic clock (宇宙原子時計)が乗ります。技術的に面白い点です。

1のミッション紹介ムービーがハリウッド映画の予告編のパロディーになっていて面白いのでみてみてください:
https://twitter.com/masahiro_ono/status/1400212329799700481
金星も今話題の火星も地球と同じ岩石型惑星であり、地球は当然としても火星も金星も太陽系のハビッタブルゾーン(*)の中に入っている。にもかかわらず、金星や火星では生命体の存在は(過去には存在していた可能性が議論されているが)今のところ未確認であり、多種多様な生命体の存在を許すのは地球だけである。昨今進展著しい太陽系外惑星探査に対してしばしば適用されるハビッタブルゾーンの条件はもっともらしいが、生命体の存在可能性を議論するには、やはりかなりゆるい条件だと分かる。今回のような金星探査で温室効果の詳細が明らかになれば、ハビッタブルゾーンに制約・改良が加えられ、地球外生命体探査の精度が向上する可能性がある。それには大いに期待したい。

(*)太陽系のように複数の惑星を持つ恒星系において惑星に大気があり液体の水が存在できるとされるゾーン。
金星そのものの研究を進めることで、地球科学の役に立つというのがなんとも興味深い。人類は金星ではなく火星への関心が高いが、それは金星がとてもではないけど人間が住める環境ではないから。でもその金星が地球を理解するためのヒントになるというのは地球がヤバいと言うことを示唆するのだろう。
金星、地球、火星は惑星形成過程が非常に類似しており、金星、火星では液体の水が存在していた形跡も確認されています。蒸発と書かれていますがもう少しややこしい問題です。金星の鉛直温度分布が掩蔽観測によってわかっており、そこから読み取れるのは、地球で存在するような温度逆転現象が見られないということです。本来蒸発した水を凝結させ、地表に戻す蓋のような役割を担う温度逆転現象が地球にはありますが金星にはありません。それにより、金星で蒸発した水は高層にて電離し、宇宙へ放出されることになります。火星の場合はここで水素原子が宇宙へ放出され、残った酸素は地表面の鉄を酸化させ、赤色を表していると考えられています。
そう言った事情により、これらの惑星では現在において水が存在しません。(金星大気には少量の水蒸気が含まれている)

また、その他にも金星地表温度はおよそ460℃、火星ではおよそ-50℃と、さん惑星でかなり異なってくることも分かってます。金星は厚い雲に覆われており(この雲の主成分が濃硫酸)中を見通すこともできませんから、こう言ったことも調査が進まなかった原因でしょう。
NASAが2028─30年にかけて金星で2つの探査ミッションを行うと発表しているそう。
NASAの金星ミッションは1990年-94年の探査機「マゼラン」以来なのだそうです。地球に一番近い惑星、明けの明星金星。楽しみです