[ウェリントン 2日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)高官は2日、中銀の気候変動対策と持続可能な金融に関する目標について、一部をバランスシートを利用して達成を目指す考えを明らかにした。

NZ中銀は2019年に国際決済銀行(BIS)の米ドル建てグリーン・ボンド・ファンドに1億米ドルを投資し、現在より持続可能な投資方法について検討している。

中銀の金融市場担当責任者であるバネッサ・レイナー氏は講演で「将来のバランスシートを考える際に、気候変動と持続可能な金融を中心に据えることは驚くべきことではことない」と語った。

金利の引き下げと金融市場の信頼回復に向けた取り組みにより、NZ中銀のバランスシートは約3倍の850億NZドル(616億3000万ドル)に達したと明らかにした。

主要中銀の政策金利が過去最低付近にとどまる限り、バランスシートは大規模な状態が続き、新たな金融政策ツールが主流となるとの見方を示した。

レイナー氏によると、NZ中銀は外貨準備管理の枠組みについて包括的な見直しを行っており、ガバナンスの仕組み、外貨準備を保有する目的、資金調達の方法、準備金の妥当性などを検討している。

世界的な金融危機後に外貨準備を増やした他の中銀とは異なりNZ中銀の外貨準備は2008年以降ほぼ横ばいと指摘した。

「外貨準備が変化すれば必然的に中銀のバランスシートの規模も変化する。戦略的な資産配分の目的を検討することにより資産の構成も変化する可能性がある」と述べた。