[ブリュッセル 1日 ロイター] - 欧州委員会は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)でオンラインサービスが急増していることなどを踏まえ、公共や民間のサービスに使用できるデジタルIDウォレットを導入する計画を3日に発表する。

プライバシーやデータ保護を巡る懸念が指摘されている米アップル、アルファベット傘下グーグル、仏タレスや金融機関が提供するデジタルウォレットの人気が高まっていることに対抗する狙いもある。

ロイターが確認した欧州委の文書によると、デジタルIDウォレットは「欧州連合(EU)域内のどこでも、官民のサービスを受けるための本人確認や認証に使用することが可能で、市民はどのようなデータが伝達され、どのように使用されるかを管理できる」という。

また、政治参加を促進するため、認可を受けた電子署名を有効にする計画だ。

デジタルウォレットの導入により、5年間で最大96億ユーロ(117億ドル)の利益がEUにもたらされるほか、最大2万7000人の雇用が創出される可能性があるという。

文書は、公共サービスに関連する排出量を削減することで、環境にも良い影響を与える可能性があるとしている。