2021/6/1

【注目】良心と実利を満足させる「信仰投資」の底力

INDEX
  • ESG投資に続く注目市場
  • 投資で「価値観」を表現する
  • 厳格な教義との「バランス」が肝
  • S&Pを上回るファンドも
  • 自由度が高いカトリック
  • 「人間らしさ」を感じさせる投資

ESG投資に続く注目市場

宗教と投資という組み合わせは、あまり相性がよくないように思えるかもしれない。
しかし、自分が信じる宗教の教義に基づいて投資を行うことは、以前よりも手軽になっている。しかも多くの場合、一般的な投資よりも収益性が低かったり、高リスクだったりということはない。
信仰をベースにした金融商品としては、イスラム金融に準じるETFや不動産ファンド、ユダヤ教徒のためのベンチャーキャピタルファンド、カトリック教徒のためのセパレートリー・マネージド・アカウント(SMA)などがある。
これらの金融商品は、同じ信仰を持つ投資家を引きつけるだけではない。宗教的な意味合いとは無関係に、その投資戦略に堅実さを見いだす人たちもいる。
「信仰に基づく投資は、以前よりはるかに選択肢が増えています。サステナブル投資と同じような状況です」と、バンク・オブ・アメリカのサステナブル&インパクト投資の運用責任者であるジャッキー・ヴァンダーブルグは語る。
「昔なら、投資に宗教を持ち込んだりすれば、損をするに決まっていると言われていたでしょう。しかし近年は、信仰を重視した投資によって十分なリターンを得ることも可能だという認識が広まりつつあります」
(sakchai vongsasiripat/Getty Images)