[エルサレム 30日 ロイター] - イスラエルの連立政権発足に向けた交渉で鍵を握る少数右派野党「イエミナ」のベネット元国防相は30日にテレビ演説を行い、ネタニヤフ首相の退陣を求める勢力による「挙国一致政府」の樹立に支持を表明した。

これにより、リブリン大統領に組閣を指示されている野党の中道「イェシュアティド」のラピド元財務相が右派系、中道系、左派系政党を取り込んだ連立政権を樹立する可能性が強まった。ネタニヤフ氏にとっては、1999年以来初めての選挙敗北が確定する。

3月の総選挙でネタニヤフ首相率いる右派与党「リクード」は第1党、ラピド氏のイェシュアティドは第2党となったが、いずれの勢力も過半数に届かなかった。ラピド氏は6月2日までに連立合意を取り付ける必要がある。連立工作の成否は、6議席を確保したイエミナが鍵を握るとみられてきた。

検討されている連立合意案は、ベネット氏がまず首相に就任し、その後ラピド氏が首相職を引き継ぐ輪番制を採用する。

ベネット氏は「全身全霊をあげてラピド氏と挙国一致政府を樹立する考え」だと表明。5回目の総選挙か挙国一致政府かの2つの選択肢しかないとした。

イスラエルでは2019年4月以降、4回総選挙が行われたが、ネタニヤフ氏の支持勢力が過半数に届かないなど、明確な勝者がいなかったため、同氏が暫定政権を率いてきた。

新たな連立を模索している勢力は、汚職裁判の被告となったネタニヤフ氏の打倒を掲げる点で一致しているが、その他の共通項はほとんどないとみられる。

実際に新政権が発足すれば、新型コロナウイルスからの景気回復を優先課題に掲げる一方で、 社会における宗教の役割やパレスチナ人の悲願である国家樹立への対応など、意見対立のある問題はいったん脇に置くとみられる。

ネタニヤフ氏は、そのような連立政権はイスラエルの安全保障と未来にとって危険だと批判した。

パレスチナ解放機構(PLO)の高官はベネット氏の演説後、検討されている連立政権は「極右」で、ネタニヤフ政権と変わらないと述べた。