2021/5/30

【解説】世界一の「宇宙強国」を目指す中国の野望

INDEX
  • 急ピッチで進む宇宙進出
  • 月面探査で次々に成果
  • 宇宙ステーションを建設中
  • ISS運用終了後の宇宙拠点に
  • 火星探査で米国を猛追
  • 小惑星や木星へのミッションも

急ピッチで進む宇宙進出

火星への探査機着陸を成功させてから1週間後の5月22日、中国は火星の表面に調査用の探査車を配備したと発表した。これに成功した国は、これまで米国だけだった。
太陽光発電で動くこの探査車は、中国神話の火の神にちなんで「祝融」と名付けられている。中国国家宇宙局(CNSA)は、祝融は22日の朝に地表に到達したと発表した。同車は少なくとも90日間、火星の表面を探査する予定だ。
この火星探査のミッションは中国としては初めてのものだが、NASAの最新のミッションと比べると、やや見劣りがするかもしれない。
というのも、中国の今回の成果は、米国が何十年も前に成功させたことを、基本的には繰り返しているだけだからだ。
それでも、中国国家主席の習近平が言う「宇宙強国」になるという野望に向けて、新たなマイルストーンが築かれたことは確かだ。
これ以外にも「マイルストーン」となり得るミッションが控えている。以下、知っておくべきものを紹介しよう。
「祝融」と名付けられた火星探査車のキャラクター(Yang Bo/China News Service via Getty Images)