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自分の業界も、業態やプレイヤーが入れ替わりそうです。
記事によると政府系金融機関の日本政策投資銀行に優先株を引き受ける方向で調整しているようです。コロナで旅行市場が極小化し、売上高も2019年度1.3兆円程度あったものが一気に9000億円吹き飛んでいます。
この状況下でどういう再建案を求めるのか、それによってどういう優先株式の出資条件とするのか。これどうやって決まるんでしょうね。コロナからの回復なんて、インバウンド需要が戻るか、ワクチンでいつまでコロナが続くのか、緊急事態宣言がいつまで続くのか、これ全部政府の舵取り次第です。
そして政府系金融機関が出資をする。しかも未上場企業で、正直経営の効率性が十分高まっているのかも疑問だし、過去の利益創出力をベースに評価して容易のか、HISが上場企業で存在(時価総額1900億円、コロナ前は3000億円)するとはいえ、JTBの評価をするのは簡単ではないように思います。
かといって民間ファンドからの資本出資は、例えば外資系などは(きっと)JTB側も嫌がるんでしょうし、民間ファンドからしてもコロナの今後の舵取りどうなるのという不確定要素のリスクをとるのは簡単ではなくどうしても条件も厳しくなってしまう。政府系金融機関の方が有利ですね。
出資後に一気に回復して、日本政策投資銀行が巨大なリターンを創出する可能性もあります。この出資を機に一気に上場準備という話もあるでしょう。単に前期赤字という一過性のPL的な話ではなく、今後のどうなるかが注目だと思います。
(参考:記事中の再建仮案での変化)
・店舗数:480->115店舗減らす(ざっくり3/4)
・人員数:29000人->7200人減らす(ざっくり3/4)
・給与:今年度の賞与の支給を見送り+給与も減額->年収ベースで30%削減(つまり人員数と合わせて人件費を半減)
特に、個人事業における海外アウトバウンドと訪日インバウンドがゼロになったので、GOTO含めた国内旅行で凌ぎつつ、法人需要のBPOや教育旅行需要等での営業活動をしたことによる結果です。
一方で、雇用調整助成金による補填、賞与のカットなどで、販管費をかなり抑えたものの、売上が上記の状態なので、依然として厳しい状況が続いています。
今後は、個人事業は個人店頭の集約やオンラインでの対応に加え、オンライン予約化を加速させることは明白であり、法人需要においてもこれまでの延長上の事業ではなく、お客様たる企業・官庁・学校の課題に対するソリューションを如何にして行い、企業としての存在価値を出していくのか、2021年度は本当の試練が待ち受けています。
残念ながら、多くの若い社員やミドルがこの1年で去りましたが、残る社員は昨今の様々な厳しい環境下でも、懸命に働いていることもまた事実です。
(特に社員は、4月より本給ベースも一律で15%以上下がっていることもあり)
環境の改善を心から祈りつつも、今やれることを粛々を進める以外に道はありません。
JTBさんが強みとしているのは
・教育旅行
・団体旅行
・法人旅行(MICEも)
あたりですべて壊滅的被害ですからね。事業別に見た場合昨対20%もないと思います。
唯一の救いは、
・自治体様向けの地域交流事業
・GoToトラベルでのるるぶの恩恵
ではないでしょうか。
旅行業界みな思っているのは、「ワクチンはやく!」
それ以外に望みはありません。
これだけ旅行が厳しくなっているので、営業CFが大きくマイナスになっているだろうと思っていたが、意外にプラス。税前損失が約-1050億円あるなかで、「預かり金」が約800億円増加。それ以外の減損・減価償却などNon Cash Itemと併せて営業CFは228億円のプラス。「預かり金」はその名の通り預かっているので、BSだと負債に載ってきて、2020年3月末の238億円から1003億円にまで増加。
旅行が止まっている時期なので、申込金などを預かるのも減ってそう。旅行積立とかかとも持ったのだが、旅行積立預り金という別の勘定科目があって、それは前年か512億円→546億円と30億円ほどの増加にとどまっている。積立系は行動習慣が変わりにくく、旅行が止まっているなかでもっと増加していてもよさそうな感じがするので、まだ旅行積立系が怪しいと思っているのだが…あと前年度の財務諸表では「その他」に入っていたと思われ、今年初めて出てくる勘定科目。
https://www.jtbcorp.jp/jp/company/accounts/pdf/accounts_report2021.pdf
上場している他社はどうだろうと思って見たのだが、同じような在庫モデルを行っている近ツリ(KNT)は、大きな営業CF赤字(税前-277億円、営業CF-241億円、ただしKNTは助成金が83億円ありJTBには見当たらなかった)。そしてBSの預り金はKNTは175億→126億円と大きく減少。「預かり金」という大きい名前の科目なので、中身の相違は色々ありそうだが。
出国と入国前のPCR検査や陰性証明の手配、海外での万が一の場合の医療機関の手配、感染対策がきちんと出来ているホテルやレストランの選定などなど…
この辺りに関しては、海外旅行に関する新しい付加価値サービスとしてしばらくは必要になると思います。
それまで持ち堪えて、海外旅行再開の時は、安心して日本人が海外旅行ができるような新しいサービスを提供して貰えることを期待したいと思います。
ただ、従業員にとっては厳しい状況が続きそうです。
大手だからこその数値かもしれないけど、驚く。