日産、電池工場建設で英政府と協議=FT
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日産、というか、電池事業を売却したEnvision AESC(①)。売却は2019年3月末に完了し、投資を加速させていく計画ではあった(②)が、自動車メーカー各社が自社による投資や連携を深める中で、日産はゴーン氏関連含めてそれどころではなく、ニュースフローが途絶えていた印象。
年間6GWh、最終的に18-20GWhという規模感はどれくらいかというと、EV1台あたり40kWhの電池搭載を前提にすると、6GWhで15万台/年、20GWhで50万台/年分。③はVWのリリースだが、全体で240GWhのキャパを確保しようとしていて、またNorthvoltとの連携では40GWhの計画。
つまり、AESCに依存してこのキャパだと電池で競り負ける。一度売却したものの連携を深めてもっと投資をしていくか、AESCへの依存度を下げていく施策を取っていくか、シリアルハイブリッドのe-Powerに掛けるか。e-Powerは現実として良い技術だと思うのだが、いかんせん世論も反映して完全EV化という流れになったときに技術・調達的な他のオプションがないときには厳しくなる。
①https://newspicks.com/news/3220798
②https://newspicks.com/news/3789602
③https://newspicks.com/news/5689031元々AESCがリーフ向けに英サンダーランドに工場保有してましたから。北米にも工場は有ります。
追記:昔の記事がありました
日産のEV用電池の年間生産能力が「リーフ」35万台分に、米国工場が稼働
https://monoist.atmarkit.co.jp/mn/spv/1212/14/news070.html
英国政府はバッテリーの重要性を認識して、ファラデー・バッテリー・チャレンジで5年近く投資しつつも全く形になってません。Boschのように三菱商事とGSユアサからノウハウを学ぶ(盗む?)ような提携もしてないのが立ち上がらない理由でしょう(Samsung SDIからも盗んでます)。AESCとしても新たな欧州拠点の足掛かりが欲しかったところなので渡りに舟だと思います。
気になるのはエンビジョンがAESC買収の際にこだわった旧NECエナジーデバイスの位置付けです。旧トーキンは良い電極の技術を持ってましたが、相模原の技術者はどうなったのか。座間に吸収されたのか、離散していったのか分かりません。
米国が韓国メーカーと組む中、欧州はギガファクトリー計画は立てども中身は寂しいもので、特に西欧の再エネも確保しづらい地域でどうやってLCA規制に対応するのか。技術者は集めやすいと思いますが、日韓の技術者をスカウトしないとまともに工場は動かないでしょうね。既に売却したAESCの大規模電池工場を日産が投資・建設するというのは合理性はない。一言、誤報の可能性が高い。
補助金を得るために一部の米国製電池を現地化することはありうる。補助金をめぐって英政府と協議もありえるだろうが、20Gwとかの工場?ちょっと意味不明な話が多すぎる。