2021/6/1

体験者が語る、ビジュアルコンテンツの魅力とは

NewsPicks インフォメーション・デザイナー
「学ぶ、創る、稼ぐ」をコンセプトとする「NewsPicks NewSchool」で、NewsPicksインフォメーション・デザイナーの櫻田潤(@jun_saq)がプロジェクトリーダーを務めた「ビジュアルコンテンツ」では、3ヶ月を通して30名の受講生がインフォグラフィックやSNSコンテンツなど、「ビジュアルコンテンツ」制作に取り組みました。
卒業後はその中から3名に、NewsPicksから仕事を依頼。先日、その記事がアップされました。今回は、コンテンツ制作に挑んだ3名に、プロジェクトを通じて、どんな学びがあったかなど聞いてみました。
3名の卒業制作

上手・下手ではなく、その人らしいか

1.何を得たくて受講を決めましたか?
コミュニケーションをより効率的かつ合理的に、そして、より理解を深める為に、情報のビジュアライズ化はとても重要だと常々感じていて、インフォグラフィックを体系的に学ぶ機会を探していたため。
2.受講開始前に不安だったことと、実際どうでしたか?
櫻田さんの本も読み込んでいて、特に不安はなく、楽しみでしかありませんでした。強いて言えば、毎週金曜夜7時までに仕事を終えて、休まず受講し課題をこなせるのかということと、オンラインでの受講ってどうなんだろうという2点が気がかりでした。
実際は、オンラインだったからこそ全ての講義を受講することができましたし、他の受講生の方々の熱量が半端なく、皆さん課題をきっちりこなしていたので、私も負けられないと思って課題を頑張ることが出来ました。受講後も皆さんとslackで繋がっており、各自で作った制作物を見せあったり、もくもく会が開催されたり、と受講生のつながりが出来たのも予想外の嬉しい出来事でした。
想像以上に刺激的で学びが深く、受講してよかったと思っています。
自分がやりたかったことはこれ(ビジュアルコンテンツ作成)かもしれない、と確信できた、非常に濃い三ヶ月でした。
3.受講中で一番印象に残っているエピソードは何ですか?
最終授業の最後にサプライズで、「このクラスのメンバー3人にNewsPicks Expertの案件を依頼します」と発表があり、そのメンバーに自分も含まれていたこと。何度も夢じゃないかと思いました。
また、櫻田さんはいつも「オリジナリティの重要性」を説き、一人ひとりの個性を大切にしてくれたのも非常に印象深いです。
作品の上手・下手ではなく、その人らしいかが大きな判断基準でした。
4.どんなことに今後生かしていきたいですか?
一見複雑な世の中の仕組みや情報、時事問題などを小学生でも分かるようなインフォグラフィックで表現し、継続的に発信したいと考えています。
5.どんな人に向いているプロジェクトだと思いますか?
・「インフォグラフィック」が気になる人。
・他人に何かを伝えたい、という気持ちの強い人。
・情報発信が苦ではなく、ビジュアルでも発信してみたい人。
・情報や思考、概念を組み立てるのが好きな人。
・NewsPicksの図解記事が好きな人。
・何か武器が欲しいデザイナー。
・デザインだけでなく企画・編集も自分でやってみたいデザイナー。
〈小川さんの作品〉

学生の自分がここにいていいのだろうか

1.何を得たくて受講を決めましたか?
ビジュアルコンテンツの制作スキルです。
自分の学びなどをデザインやイラストの力でわかりやすく伝えたい!と思っていたので、以前から憧れのクリエイターだった櫻田潤さんに教えていただけると知ってすごくワクワクしました。見る人の興味のきっかけを作れるようになるぞ!という気持ちで受講を決めました。
2.受講開始前に不安だったことと、実際どうでしたか?
受講生のみなさんが幅広い職種で活躍されている方ばかりだったため、学生の自分がここにいていいのだろうか…と少し不安な部分がありましたが、実際はみんなが対等に課題や学びに向き合っていて、お互いにフィードバックをし合ったり、会話する時間が本当に楽しかったです!
予想もしていなかったほど櫻田さんや運営のみなさん、受講生のみなさんとコミュニケーションを取ることができたので、最後までずっとワクワクし続けられる三ヶ月だったなと思います。
3.受講中で一番印象に残っているエピソードは何ですか?
最終課題の大詰めの時期、受講生のみなさんの作品がどんどんブラッシュアップされていく過程を見られたことです。
Slack上に共有されるので、「前よりさらに伝わりやすくなってる!」「こんなに完成度が上がってる…!」など変化を見ることができ、驚きや刺激をもらえました。
最終課題は個人で自由にテーマを設定するため、それぞれの人柄や興味が伝わってきて、オンライン開催とは思えないほど受講生のみなさんのことを身近に感じられたのも楽しかったです!
4.どんなことに今後生かしていきたいですか?
自分の学びやワクワクすることを伝えることで、人の興味や意欲のきっかけを作れるようになりたいです。
講座を通して、制作スキルだけではなく、クリエイターとして情報を発信していく際の責任や心構えを学びました。
教えていただいたことを忘れずに、「ビジュアルで伝える」ことを強みとしていけるように励みます!
5.どんな人に向いているプロジェクトだと思いますか?
「これを伝えたい!届けたい!」という何かがある人ではないかと思います。
「伝わりやすいビジュアルコンテンツを作る」こと以前に、「自分が何を伝えるか、伝えたいか」が重要なのだと実感したためです。
(私の場合、それは「生理はもっとフラットにとらえても良いんじゃない?」という思いでした。自分にとってこれは伝える価値のあるものだ!と思えたからこそ、最後まで楽しく本気で向き合えたのかなと思います!)
〈三浦さんの作品〉

アウトプットは嘘をつかない

1.何を得たくて受講を決めましたか?
インフォグラフィックで、複雑な情報をわかりやすく伝えられる方法を学びたかったからです。
私はウェブサイト制作の仕事をしているのですが、ある時に、ウェブデザインでは伝えられることに限界があるのでは…と思うようになりました。
世の中にある複雑な問題や、たくさんの人に知ってほしい情報を、もっとわかりやすく伝えられないかと悩んでいた時に、NewsPicksをきっかけにインフォグラフィックのことを知りました。
とてもわかりやすいし、しかもいろいろな人に届けられる形の表現だと感じて、私がやりたかったのはこれだったんだ!と思ったんです。
そこからインフォグラフィックを作ってみたくて、櫻田さんの著書を購入して独学してみたものの、なかなか実際に作ってみるまでに至りませんでした。
このプロジェクトを受講しようと思った一番の決め手は、櫻田さんから直接インフォグラフィックについて学べることと、手を動かして実践できる課題があったからでした。
2.受講開始前に不安だったことと、実際どうでしたか?
ウェブデザインをしているのですが、実はIllustratorはうまく使えないし、絵も描けないので、本当にグラフィックが作れるようになるのかな…というところが一番不安でした。
ですが始まってみると、グラフィックソフトはなんでもいいよ!(パワポやCanvaでも!)と言っていただき、とても安心しました。
実際、課題もIllustratorを使ったのは一部分で、ほとんどはいつも使っているウェブデザイン用のソフトで作っています。
3.受講中で一番印象に残っているエピソードは何ですか?
自分らしさ迷子になったとき。
講義の中で、「自分の好きなこと、エゴを見せる覚悟が必要」というお話をしていただいた日がありました。
それまで私は、「グラフィック」と名のつくものなので表現の部分が大事だと思っていたのですが、実は一番大事なのはマインドの部分だと気づきました。
「何をどう見せるか」とか、「どうわかりやすくするのか」の前に、「自分は何を伝えたいのか?」「どんな世界観で伝えたいのか?」という、自分の軸が大事なんだということです。
そこから、「自分らしさってなんなんだろう…」と相当悩んだ日々が続きました。ひたすら自分の好きなことをノートに書いてみたりとか、逆に嫌なものを書いたりとか、Pinterestを見まくったり、迷走しました(笑)。
でもプロジェクトを通じて少しづつ、自分の軸がわかってきた気がします。それはやっぱり、毎回手を動かして課題を作ることで、ですね。櫻田さんの教え、アウトプットは嘘をつかない!です!
4.どんなことに今後生かしていきたいですか?
仕事・仕事以外に関係なく、自分の表現と発信に生かしていきたいです。
最終課題では「森林放置問題」という地球環境に関係したテーマを選びました。仕事を通じて初めて学び、いろんな人に知ってほしいと思っていた問題だったので、インフォグラフィックとして形にでき、いろんな方に見てもらえたことがとても嬉しかったです。
今、様々な社会課題が世の中にありますが、ビジュアルの力で少しでも理解が進んでほしいなと思うことが多々あります。
ビジュアルコンテンツを通じて、少しでも「考える」きっかけになるような制作を、今後も続けたいなと思っています。
5.どんな人に向いているプロジェクトだと思いますか?
インフォグラフィックを作ってみたい人はもちろん、伝えたい!ということを持っている人にも良いと思います。
ビジュアルコンテンツは、見えにくかったものを見えるようにするもの、と学びました。なので、何か伝えたいことがある人にとって、良い表現方法の一つになるのではないかと。
また、コミュニケーションがうまくできない場面などでも役に立てると思います。私の仕事で言うと、ウェブにあまり馴染みのないお客様に、サイトの仕組みや用語などを伝えたいけど、言葉だけではなかなか説明しづらい…というような場面でしょうか。
言葉では伝えるのが難しいことも、ビジュアルコンテンツになるといろんな立場の人がわかりやすくなるのではないかと感じます。そういう問題を抱えている方にもぜひすすめたいです。
〈神山さんの作品〉

次回は「インフォグラフィック×SDGs」を予定

櫻田潤からのコメント
今回NewSchoolのプロジェクトを3ヶ月(全10回)オンラインで進行し、不安もありましたが、みなさんの最終アウトプットを見て、伝えたかったことが画面越しでもしっかり届いたことがわかり、安心しました(注:10回目のみ、オフラインとオンラインのハイブリッド開催)。
印象に残ったことの一つが、みなさんの題材の選定です。
こうした講座でアウトプットの題材を選んでもらう際に、以前はビジネスに直結する題材が多かったのに対し、年々、社会課題を題材に選ぶ方が増えています。
今回コメントを頂いた3名が最終課題に選んだのも「子どもの弱視」「生理」「森林放置問題」と社会性の高い内容でした。
SDGsの目標に掲げられている「気候変動対策」「ジェンダー平等」など、誰もが当事者で無関心ではいられないトピックに対し、実際どうなっているのかを理解し、受け入れやすい形で共有することの意味が増しているからだと思います。
そこで僕が7月から予定しているNewSchoolの新規プロジェクトでは、その文脈を強めて、「インフォグラフィック×SDGs」プロジェクトを企画しています。ビジュアル、コンテンツの力で社会課題の解決に取り組みたいと考える方たちとの出会いを楽しみにしています。
企画が固まりましたら、NewSchoolのページや、僕のTwitter等でアナウンスします。よろしくお願いします。