米ロ首脳、6月16日に会談 初の対面、ジュネーブで
コメント
注目のコメント
米露首脳がいよいよ初顔合わせ。
思い起こせば、バイデン政権発足二日後に米露核軍縮条約の延長が決まり、その間プーチンはなかなか祝電を送らず、そうこうするうちにバイデンの「プーチンは人殺し」発言、対露制裁の強化、ロシア軍のウクライナ周辺への集結、ロシアのハッカー集団による米パイプライン攻撃と、わずか4ヶ月ほどの間に米露間では急転直下の展開が相次ぎました。
こうした波乱含みの関係を米露首脳がまずどのように総括するのか、気になるところです。
ロシア側報道では「戦略的安定性」が主要なテーマとなるということなので、やはり新核軍縮条約の話なんかをするのかなとも思いますが、昨今の文脈だとここにサイバーとか情報とかも入ってくるのかもしれません。
あと裏テーマはおそらく中国なんでしょうね。バイデン政権が対中強硬路線を大きく変更しないということは、米中双方にとってロシア引き止めのインセンティブが生じることを意味しそうです。
ロシアが現在の対中協調路線を簡単に放棄するとは考えにくいですが、同時にその事実が一定の対米レバレッジとしても看做されているのでしょう。小泉さん、相良さんが重要な論点をご指摘されていますので、ロシア動向においてアジアや東南アジアとの関係で気になる動きを挙げておきます。
1ミャンマー軍政との関係。
ロシア軍、ミャンマークーデターを正当化
https://www.tokyo-np.co.jp/article/94786
5月20日にミャンマー空軍トップがロシアの軍事ヘリ展示会に出席。
https://www.reuters.com/article/myanmar-politics-russia-idJPKCN2D1174
2密接な中露関係
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210510/k10013021231000.html
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGM222VM0S1A320C2000000/
3ロシアの対東南アジア武器輸出についての資料。15-19年のロシア製兵器の買い手5位はベトナム。
https://www.iseas.edu.sg/articles-commentaries/iseas-perspective/2021-33-russias-defence-diplomacy-in-southeast-asia-a-tenuous-lead-in-arms-sales-but-lagging-in-other-areas-by-ian-storey/
また、バイデン政権発足後、人権問題に関する経済制裁が強化されており、ロシアもその対象です。東南アジアではミャンマーについて大きな隔たりがあります。
米国によるロシアへの経済制裁
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/04/678dccd5e135b5e0.html先週の米露外相会談を踏まえ、ついに米露首脳会談へ。ブリンケン長官はラブロフ外相に対し、米国はモスクワとの「より安定的で予測可能な関係(a more stable and predictable relationship)」を求めていると述べた。ウクライナ周辺の軍事展開、人権と民主主義の問題としてのナワリヌイ氏への弾圧、シリア、アフガニスタン、戦略的安定性、イランと北朝鮮の核開発、このあたりは米国政府が表に出しているアジェンダ。さらに、対外的にはロシア政府の関与について明言を避けているコロニアル・パイプラインへのサイバー攻撃、地政学・地経学的な課題としての中国についても、しっかり対面で、議論しておきたい、ということだろう。
米露外相会談についての国務省発表 MAY 19, 2021
Secretary Blinken’s Meeting with Russian Foreign Minister Lavrov
READOUT
https://www.state.gov/secretary-blinkens-meeting-with-russian-foreign-minister-lavrov/