[ブリュッセル 25日 ロイター] - 欧州連合(EU)は、計10億回分以上の新型コロナウイルスワクチンを製薬会社4社から9月末までに受け取る見通し。EU首脳会議に提出された文書で明らかになった。

文書は欧州委員会が準備した。今年第2・四半期に4億1300万回分、第3・四半期に5億2900万回分のワクチンを受け取る見通し。第1・四半期に受け取ったワクチンは1億0600万回分だった。

計10億回分以上のワクチンを受け取れれば、EUの全人口4億5000万人にワクチンを投与できる。EUは当初、夏の終わりまでに成人の少なくとも70%にワクチンを投与する目標を掲げていたが、当初の目標を大きく上回ることになる。

今回の推計値は、ファイザー/ビオンテック、ジョンソン・エンド・ジョンソン、アストラゼネカ、モデルナから受け取るワクチンのみを考慮に入れている。

独キュアバックと仏サノフィも、EUにワクチンを供給する契約を結んでいるが、両社はワクチン開発やEU規制当局からの承認獲得が遅れている。

第2・四半期に受け取るワクチンの半分以上はファイザー/ビオンテックのワクチン。第3・四半期に受け取るワクチンの40%近くも、ファイザー/ビオンテックのワクチンという。

EUは第4・四半期にさらに4億5200万回分のワクチンを受け取る見通し。このうちの一部はアストラゼネカのワクチン。アストラゼネカはEUと契約した3億回分のワクチンすべてを6月末までに供給することになっていた。