[24日 ロイター] - ニューヨーク連銀は24日、米連邦準備理事会(FRB)の継続的な資産買い入れにより、FRBのバランスシートが2022年末までに9兆ドルに拡大するとの予測を発表した。

民間銀行の準備預金は22年末までに6兆2000億ドルのピークを付ける可能性があり、その後は安定的に減少すると予想。NY連銀の市場チームによる年次報告書に予測が盛り込まれた。

償還国債および政府機関(エージェンシー)保証モーゲージ担保証券(MBS)の再投資を継続した場合、FRBの保有資産は25年まで同じ水準を維持する可能性があると指摘。「その後は、連邦公開市場委員会(FOMC)が金融政策のスタンスを正常化するのに伴い、保有資産についてどのような選択をするかで、道筋が決まる」とした。

月額1200億ドルの債券買い入れを21年末まで継続し、22年末までに緩やかに縮小させゼロに達するとの前提を置いて試算した。NY連銀による市場参加者とプライマリーディーラーの調査に基づき、将来的な資産買い入れと金利に関する前提を立てた。

フェデラルファンド(FF)金利の中央値は23年第3・四半期まで0.125%で推移したあと、26年末には2%強に上昇すると想定。長期的には2.25%に達するとした。

また10年債利回りは長期的に2.5%に、30年固定住宅ローン金利は4.1%に上昇するとした。

FRBが昨年、米経済や企業の資金調達を支援するために金利をゼロ近辺に引き下げ、緊急資金供給を相次ぎ打ち出し、毎月の資産買い入れ規模を増やしたため、バランスシートは膨れ上がった。

先週時点で保有資産は8兆ドル弱となり、2020年初め時点の約4兆1000億ドルから急拡大した。

報告書は、さまざまな状況を想定すると、FRBのバランスシートは2030年まで9兆ドル近くに維持されるか、6兆6000億ドルまで減少する可能性があるとの見通しを示した。