[シンガポール 24日 ロイター] - 24日の取引で暗号資産(仮想通貨)は、前日の安値から戻したものの上値の重い展開になっている。米テスラのマスク最高経営責任者(CEO)が仮想通貨を支持すると発言したものの、急落に動揺した投資家や中国政府による取り締まり強化を受けた不安による売り圧力は消えていない。

マスク氏は22日、法定不換紙幣と暗号資産(仮想通貨)の戦いでは暗号資産を支持するとツイッターに投稿。「真の戦いは、法定不換紙幣と暗号資産の間で争われている。総合的に見ると、私は後者を支持する」と述べた。

一方、中国当局がビットコインのマイニング(採掘)と取引の規制を強化したことを受け、ハッシュカウやBTC.TOPなどの採掘業者が中国での事業を停止した。

ビットコインは23日に3万1107ドルまで下落したが、この日は3万5970ドルまで戻した。ただ、先月付けた最高値の6万4895ドルから約45%低い水準。

イーサは前日に約2カ月ぶり安値の1730ドルを付けたが、この日は一時2101ドルまで上げ、その後やや軟化た。ドージコインは直近で0.30ドル。

IGマーケッツのアナリスト、カイル・ロッダ氏は、「先週付けた数カ月ぶりの安値から一時的に跳ね上がった後、一部が売り抜けたようだ」と指摘。「あるいは、ビットコインの勢いと後押しした投機的なマニアがほぼ完全に消えてしまったため、損切りすることにしたのだろう」と述べた。