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世界の建築界の巨匠がまた一人逝ってしまいました。ブラジル建築界を先導し続けてきたパウロ・メンデス・ダ・ロシャ氏が土曜日深夜遅くに亡くなられました。享年92歳。ブラジルメディアは彼のことを「O último gigante(最後の巨人)」と呼び、たくさんの追悼記事・番組が組まれています。私も建築仲間たちもブラジル建築界は深い悲しみに包まれていますが、皆が皆口を揃えて「ありがとうパウロ」という感謝の気持ちを送っています。
パウロ氏はブラジル建築界のもう一人の巨匠オスカー・ニーマイヤー氏とよく比較されますが、ニーマイヤー氏はその独自の美学を具現化し続け、ブラジル建築の代名詞として世界中に広く認知されるようになった一方、パウロ氏は外来のモダニズムをブラジル流にアレンジさせた建築を追求し、また、教え手として熱弁をふるい、現在の若手建築家にもそのDNAは脈々と受け継がれています。いわば、ブラジル現代建築の父と言っても過言ではない大きな巨人であり、思想家でもありました。

個人的には10年ほど前に初めて取材をさせて頂いた際に、1969年の大阪万博ブラジル館の設計のためにたった一度だけ日本に滞在されたエピソードを2時間以上語って頂いたことを昨日のことのように思い出します。あれ以来、何かと気にかけて頂き、最後にお会いしたのは彼の事務所の近所の通りで偶然お会いした時でした。彼はいつものように自宅から歩いて事務所へ向かっているところでしたが、足を止めて、「おお、日本の若者よ。元気か?」とハグをして下さいました。まさかあれが最後になるとは・・・。

パウロさん、ご冥福を心からお祈りいたします。もう一度いつかは日本に行きたいと仰っていましたが、空の上から日本のことも見守っていて下さい。合掌。