2021/5/24

【解剖】プレイステーションは、どのように進化していくのか

NewsPicks ジャーナリスト
ソニーグループは昨年2020年末、満を持して「プレイステーション5(PS5)」を発売した。PS4の発売から7年分の進化を盛り込んだ最新のゲーム機だ。
プレイステーションは、ビジネスの教材としても面白い。
まず、最低価格は4万円(400ドル)未満がヒットの条件という、価格の「黄金律」が存在する。
そう考えると、ハイエンドの製品ながら、パソコンやスマホのエントリーモデルと同じ価格帯という縛りの中で、最高の没入体験を提供するための工夫が随所に詰め込まれているともいえる。
Photo by Ken Hiraoka
次に、オープンイノベーションの草分け的な存在でもある。ゲーム機というものは、魅力的なゲームソフトがあってこそ、買ってもらえるからだ。
そのためプレイステーションでは、ユーザー視点のみならず、ゲームソフト開発者視点で開発されている。これは、ある種のオープンイノベーションと言えよう。
今回、PS5開発の責任者、伊藤雅康ソニー・インタラクティブエンタテインメント (SIE)代表取締役副社長にインタビュー。プレイステーション流の没入体験の哲学に迫る。

PS5でしかできない「没入体験」

──1世代前のPS4でも、現実と見まがうほどキレイなグラフィックです。「PS4で十分」と思っている人に対して、PS5はどんな驚きをもたらすのですか。