[ロンドン 21日 ロイター] - 英国立統計局(ONS)が21日発表した4月の小売売上高は前月比9.2%増加した。生活必需品以外の小売店の数カ月ぶりの営業再開が急増につながった。伸び率は、新型コロナウイルス抑制のための制限が前回解除された昨年6月以来の大きさだった。

3月は5.1%増だった。

1回目のロックダウン(都市封鎖)で売上高が大きく落ち込んだ前年同月からは42.4%増えた。

ロイターがまとめたエコノミスト予想平均は前月比4.5%増、前年比36.8%増だった。

内訳では、衣料品の販売が約70%増加。

好調な小売売上高統計を受けて、ポンドは対ドルで小幅に上昇した。

ロイズ銀行の小売り担当トップ、アレッド・ジョーンズ氏は「ビアガーデンの再開などで最終的に恩恵を受けたのは衣料販売店だ」と述べた。

英国の小売売上高は、新型コロナ感染が拡大する前の2020年2月の水準を10.6%上回っている。

イングランドでは、衣料品、家具などの販売店は1月初旬から4月12日まで営業が認められていなかった。

オンライン販売が占める比率は30.0%で、3月の34.7%から低下。昨年12月以降で最低となった。

市場調査会社のGfKが21日発表した5月の英消費者信頼感指数はマイナス9で、4月のマイナス15から上昇し、新型コロナウイルス感染拡大が本格化する前に当たる昨年3月の水準に回復した。

キャピタル・エコノミクスは、小売売上高が危機前の水準を上回ったため、販売の伸びは今後横ばいになる公算が大きいと予測。「景気回復は続くだろう。ただ、店舗での購入よりもパブ、レストラン、映画館での支出が原動力になる見通しだ」との見方を示した。