2021/5/22

【明言】これから5年、SaaS企業が「メディア」を買収する

NewsPicks 副編集長(NY支局)
今年2月、米メディア界に衝撃が走った。
近年、米国で絶大な人気を誇っているニュースレターであるThe Hustle(購読者150万人)の買収が発表されたからだ。メディアの買収自体は、今や米国では珍しくともなんともないが、驚きはその買い手だった。
米HubSpot。2005年創業、CRM(顧客管理)を手掛けるSaaS企業だ。
近年、コロナによるDXの波もあり、怒涛の勢いで成長を続ける。
だが、一体なぜ、スタートアップら顧客企業に営業やマーケティングのツールを提供する「B2Bのソフトウェア企業」が、メディアを買収するのか。
この謎を解くため、NewsPicksはHubSpotのCMOであるキップ・ボドナー氏にインタビューを敢行。HubSpotの戦略から、メディア事業の位置づけ、B2BとB2Cの融合、さらにはCMOの役割の変化までをくまなく聞いた。
「今後5年で、ソフトウェア企業が多くのメディアを買うだろう」という真意とは。
INDEX
  • ①コンテンツの「本当の役割」
  • ②ブログとYouTubeの違い
  • ③メディアを所有しなければならない
  • ④SaaS×メディアの強みとは
  • ⑤CMOの役割は変わった
  • ⑥もう営業中心ではダメ

①コンテンツの「本当の役割」

──まず、HubSpotにおけるマーケティングの位置づけについて、改めてお伺いできますか。
HubSpotは、スケールしたい企業にとって一番のCRM(顧客管理)プラットフォームでになることを目指しています。
企業のマーケティング、営業、カスタマーサクセス、オペレーションなどの担当者らがコアな顧客で、彼らに素晴らしいツールを提供しています。もともとはマーケティングのテクノロジーから始まり、CRM、カスタマーサクセスへと進んできました。先日は、レベニュー担当者向けのオペレーションハブもリリースしています。
そして、HubSpotはあと2週間で創業15年になります。
我々のマーケティング戦略としては、創業初期から、「インバウンド・マーケティング」という考え方を開拓してきました。