EUが「コロナパスポート」の詳細な枠組みで最終合意
コメント
選択しているユーザー
注目のコメント
EUは域内の自由移動が原則ですが、国境管理の権限は加盟国にあります。
今回の事実上のワクチンパスポートの導入が紛糾した背景には、加盟国の権限が弱められることに対する抵抗もあったと考えられます。
またEU全体では現時点で市民の1割程度しかワクチン接種を終えておらず、公平性の問題も懸念されていました。
域内共通のワクチン接種証明は、国境間の移動のみならず、国内移動や商業施設などの利用においても提示が必要になってくる場面も増えるでしょう。
今回のEUの証明書のモデルともされるデンマークではすでにワクチン接種証明アプリが国内でもスポーツジムや公共施設などの利用に使われているようです。人の「移動の自由」を大切にする欧州では、免疫パスポートとかワクチンパスポートとか、もう1年も議論してきた。ようやく本格的に動き出した。今年のバカンスに備え法案も3月に提出。検査陰性、ワクチン接種、抗体など、これまで欧州でさんざん議論してきたことが今後のなんとかパスポートのベースになるか。ヘルスデータをどう取り扱うかGDPRとの兼ね合いも整理することでグローバルスタンダードになりそう。
ワクチン接種が進んだ以上、行動制限は出来るだけ早く解きたい。その一つの戦術として、ワクチンパスポートを発行する。
こういうEUの動機は、欧州の観光産業、とりわけ地中海沿岸における観光産業が持つ意味合いが分からないと、正しく理解できないと思います。
地中海沿岸の観光産業は、極めて雇用吸収力が(とりわけ「闇」で)高く、それだけ人々の社会経済に根付いています。それがパンデミックを受けて、文字通り干上がってしまいました。
また人々をそうした観光地に供給する交通網、とりわけ航空も、今禍で大変なことになっています。結局、人々に根付いた経済活動ほど、やられています。
夏のバカンスに合わせてどうにか動かしていきたいというのは、欧州の社会経済的な安定を考えた場合、当然かつ妥当な判断となります。