[バンコク 19日 ロイター] - タイのアヌティン保健相は19日、国民の70%に対する新型コロナワクチンの第1回接種を9月までに完了させる方針を示した。これまでで最悪の感染状況にあることをを受け、より多くの人を迅速に保護する手段を模索している。

タイではより感染力の強い変異株が流行しており、4月初め以降、新規感染者が約4倍、死者は6倍となっている。現時点では大規模な接種プログラムをまだ始めておらず、複数社からのワクチン調達に奔走している。

保健相は声明で「9月までに人口の70%に接種を完了することに注力する」と説明した。

政府は当初、70%接種の期限を年末に設定。調達の遅さのほか、英アストラゼネカのみに過度に依存していると批判されていた。

来月には国内で生産されたアストラワクチンが入手可能となり、接種が本格化する。

これまでに、タイの人口6600万人超のうち、医療従事者と基礎疾患を持つ人など150万人強が主に中国のシノバック・バイオテック(科興控股生物技術)製ワクチンの接種を少なくとも1回受けている。

新たに米製薬ファイザーと独バイオ企業のビオンテックが共同開発したワクチンも発注したという。

当局はこれまでに、シノバック、アストラゼネカ、米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、モデルナのワクチンを承認している。