(ブルームバーグ): 「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、米ロサンゼルスの港湾で1月に綿シャツの輸入が差し止められた措置について、米税関に解除を求めていたが、これが拒否されたことが10日付の米国土安全保障省の文書で分かった。

米国土安全保障省の10日付の資料によると、中国の新疆生産建設兵団が生産した綿や綿製品の輸入を禁止する違反商品保留命令に違反したとして、当局は1月5日、ロサンゼルスのロングビーチ港でユニクロによる男性用の綿シャツ輸入を差し止めた。

ユニクロは4月5日までに、差し止めの対象となった製品には新疆生産建設兵団製の綿も中国製の綿も使用しておらず同命令には違反していないと主張。しかし、同省はこれを裏付ける実質的な証拠が提示されていないとして訴えを退けた。

同文書によると、ユニクロ側は製品で使用している綿はオーストラリア、米国、ブラジルを主な産地としており、新疆の強制労働に関連したものではないと説明している。

ファーストリテイリングは、電子メールで「このたびの米国税関・国境警備局の決定は非常に遺憾」とコメント。「サプライチェーンにおいては強制労働などの人権侵害がないことを確認している」とした上で、万一、深刻な人権侵害が確認された場合には「取引停止や調達の見直しを含め厳正に対処する」としている。

中国外務省の趙立堅報道官は19日の定例記者会見で、新疆ウイグル自治区に強制労働はなく、米国は「いじめ」をしているとのこれまでの主張を繰り返し、「関連企業は立ち上がり、米国の不当な振る舞いに反対すべきだ」と述べた。

(ファーストリテイリングのコメントを追加して更新します)

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