中国、電池交換式EVの国家基準を発表
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他では、有効性が確認できなかった電池交換方式が中国では機能するのか?その差はどこに?
(以下、記事中から引用)
政策の後押しの下、上海蔚来汽車(NIO)や北京汽車集団などは電池交換モデルの採用を進めており、吉利汽車集団や上海汽車集団も関連事業への同調姿勢を示す。中国EV充電インフラ促進連盟が発表したデータによると、全国の電池交換ステーションは20年12月時点で555カ所に上る。
※個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません
注目のコメント
バッテリー交換式 or 充電式 については大きく
「交換頻度」 ×「車種の共通性」 (×「他手段有無」)
あたりからも考えることができるでしょう
(以下はいずれも電動化が進む中国の事例より)
①(EVでないが)「プロ運転手向け電動2輪」は、交換式
が最も進む
・「交換頻度高・ルートも読める(出前/宅配)」
× 「プロ向け電動2輪で80-90%車種で電池共通化可」
× 「充電時間は大きな機会ロス」
・(参考)https://newspicks.com/news/5762095/
②「タクシー等の業務車両」も交換式を先行し一部導入
・「交換頻度高」
× 「車両タイプは均一」
× 「充電時間は大きな機会ロス」
・北汽新能源のタクシー車両の取り組みが先行例
③一般乗用車がやはり一番難しく、現状は一部に留まる
・「交換頻度低」
× 「車種の共通性が低」(OEMの競争力の1つ)
× 「家に充電ポール設置できることもある」
・本当は全OEMの車種間で電池の規格を共通化すれば
経済合理性が上がるが、そうはならずに、現状は交換
ステーション運営会社は場所を共通化するのみ
・自社運営はNIOくらい(高付加価値路線)
③のレベルまで普及させるには、
・経済合理性が合いにくいままインフラ投資を強行か
・OEMの反対をおしても、電池の規格統一を進めるか
いずれにしろ、国の政策次第という点は大きそうな印象
(①②のような成立しそうな特定セグメントをうまく
切り取るような話はありそう)ベタープレイスやテスラが断念していく中で、中国ではずっと進められていましたが、もう555箇所もステーションがあるとは驚きました。
中国の場合、国営電力会社が関与しているあたりが、他の事例と違いますね。
電池交換方式が難しいのは、車体側の設計変更、EVの競争力の源泉であるバッテリーの共通化など様々ありますが、ビジネス上の問題は、交換ステーションのビジネスモデルが立ちにくいので、誰もやりたがらないからです。EVの充電とは、電池容量を50kWhとして、中国の電気代を高めに10円/kWhとしても、高々500円の価値しかない行為。それを、ウン十万だか数百万円のバッテリーを、巨大な装置で交換するのにいくら取れるかという問題。そこの部分で交換ステーション側が赤字になっても、社会的な便益が上回るとして、道路やインフラの様に財政投資すれば、あるいは可能かも知れませんね。過去電池交換式についてなかなかうまくいかないのは、以下の2点かと思います。
1.車体側の設計が難しい
車体床面の大部分を占めるバッテリーは車体の構造物となっており、交換できるようにする(床面に大穴を開けるなど)のが難しい
2.ビジネスとして難しい
バッテリーを交換対象車両よりも多く持つ必要があり、そのコストが膨大な割に、通常の充電よりも高い金額を顧客から取るのが難しい
このうち1は創意工夫でなんとかするとしても、2は如何ともし難い。
なので、国を挙げて補助金などでサポートする、そういう意味ではないかと思います。