大規模接種 架空番号でも予約可能な状態 適性な情報の入力を
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元自治体職員、保健所勤務経験者として私見を……
本件は、システム開発者の問題というより、予防接種の運営管理を市町村に丸投げしてしまった政治行政のミスが根幹にあるように思います。
本件予防接種はおそらく予防接種法第6条に規定される臨時接種だと思うのですが、そうすると都道府県からの指示を受けた市町村が実施主体となります。つまり、それぞれの市町村の実情に合わせた創意工夫を頼りに運営管理を委ねる事になります。
そこで、市町村がそれぞれの方法(もしかしたらExcelなどを使って……)で予約管理をしてる中で、統一の予約システムを使いますと言ったところで完璧な予約システムを作れる訳がありません。市町村によってデータモデルがバラバラですし、そもそもデータベース設計のプロは基礎自治体にいません。
◯では、なぜ多くの都道府県が予防接種業務を市町村に丸投げせざるを得なかったのか?
平常時から行なっている予防接種法第5条による定期予防接種の実施主体は市町村であり、そもそも都道府県に予防接種の運営管理に関するノウハウは蓄積されていないのでしょう。そこで「地域の実情に合わせた」というお題目の元、市町村に接種業務を丸投げせざるを得なかったというのが都道府県の本音ではないでしょうか?
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自治体で健康福祉業務に従事していた頃から、都道府県と市町村の在り方には度々疑問を持っていましたが、コロナのような非常事態において、一般の方々も巻き込むかたちで問題の一部が顕在化したと言えます。こうした事例を機会に、多くの方に地方自治の在り方について考えて貰えればと思います。
注目のコメント
根本的な話として、「電話+手作業」で出来ないもの、というのは、システムでも出来ない。システム作成は魔法ではない。
「システム的にかんたんに紹介出来るはずの架空の番号を弾いていない」だったら問題かもしれないけれども、かんたんではなく、工数の大幅にかかるものを大問題かのように扱うのはちょっと疑問。
そもそも「番号を連携出来る仕組み」とかそういうのが出来ていないのが原因であって、予約システム自体を叩くのはかなりお門違いかなあ。全体的な設計のどこかがまずいのは間違いないんだけど、今回のシステム作成だけを叩くのはかなりズレてると思う。
今回のシステムも「出来ることを全部やった」ってものではないと思うし、クオリティが高いかと言われると疑問だけれども、それは予算と納期の兼ね合いの問題もあるし。
AERAの記事と違って「重大な欠陥」とか「セキュリティの欠陥」とか事実と異なることが書いてないのは良い。長く使うのであれば、色々改善してほしいけど、ひとまずネット予約がベースになったのは良かったね。
[5/17 23:39追記]
そもそも10桁の番号は市町村で独立ってルールしかないから、市町村が違えば被ってる可能性もあるし、連番で発行してる市町村も多いから、適当な登録も防ぎようがないそうな。システム作成よりずっと前のルールの決め方の部分での問題だなあ。これはまずすぎる。仮にも防衛省のWebサイトなので、中国人民解放軍などの正規軍も含めたサイバー攻撃者が虎視眈々とサイバー攻撃の機会を狙っている。ましてや、ワクチン接種のように安全保障に関わるシステムはそれなりにかっちり作るべきなのに。
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防衛省は、「実在しない番号での予約は貴重な予約枠をむだにするだけなので、絶対にしないでほしい」としています。
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って正気なのだろうか。敵に対して「銃を撃つと我が軍に死傷者が出るので、絶対にしないでほしい」と言っているのと同じ。
【追記】
一部に朝日新聞/AERAを批判する論調があるようだが、この件については批判は当たらないと思う。朝日は防衛省とシステム開発会社マーソにきちんと問い合わせる手順を踏んでいる。その時点でシステムを止めて改修すれば、朝日の記事は日の目を見ないまま終わったのに、それをしていない。それぞれ「現在、担当部署に確認している」「担当者が不在で対応できない」という間の抜けた対応をしている。
それどころか、防衛省は20時時点でも空予約だらけと思われる予約状況を定時発表している。まるで危機感がない。COCOAの不具合を見過ごした時の状況に似ている。
朝日に落ち度はないと思う。朝日が知っているレベルのことは、サイバー攻撃者や、一般のプログラマーでも容易に知りうることで、報道してはならない性質のことではない。最終的に接種券がないと、現場では受けられないと思いますが、こういった行為があると、無断キャンセルが増えて廃棄につながりかねません。モデルナワクチンは、ファイザーと比べて、冷凍から冷蔵にしてからの有効期間が短いとされ、無駄なく接種を進めなければなりません。
元々、東京なら大手町に自費で来れる、ネット予約が出来る高齢者の想定です。きょう、ある政府関係者に話を聞きましたが、こうした層が予約して接種が進むことで、予約が殺到する都市部の自治体の混乱を緩和させたい狙いもあるようです。政府側の「7月中には高齢者接種、完了」の思いは、取材からもかなり強いと感じました。