[東京 17日 ロイター] - 三菱UFJフィナンシャルグループ(FG)は17日、2022年3月期の連結純利益について、前期比10.3%増の8500億円を見込んでいると発表した。与信関係費用は3500億円を計画している(前期は5155億円)。

会見した亀澤宏規社長は今期について、世界的な新型コロナウイルス感染拡大の影響により厳しい運営になるとの認識を示したものの、与信関係費用は先進国のマクロ経済の改善による減少を見込んでいると述べた。

与信関係費用は、国内で業種間、海外では先進国と新興国との間で二極化が進んでいるとの見方も示した。

IBESがまとめたアナリスト8人による連結純利益の予想平均値は7326億円となっている。

連結業務純益は1兆1000億円、年間配当は前期から2円増配となる1株当たり27円を見込む。

同時に発表した21年3月期の連結純利益は、前期比47.1%増の7770億円だった。前年度に計上した出資先ののれん一括償却に伴う特別損失の剥落により増益となった。

三菱UFJFGは同日、新たな中期経営計画を公表し、2023年度に1兆円以上の純利益を目指すと表明した。営業純益は1.4兆円、ROE(株主資本利益率)は7.5%を目標とする。

亀澤社長は、経費削減などの構造改革や強みとするアジアビジネスの強化などを進め、安定的に1兆円以上の純利益を稼ぐことのできる会社を目指すと語った。

同社はまた、50年までに投融資ポートフォリオの温室効果ガス排出をネットゼロとし、30年までに同社自らの温室効果ガス排出量のネットゼロを目指す「カーボンニュートラル宣言」を発表した。

カーボンニュートラル宣言について、株主である環境保護団体「気候ネットワーク」の国際ディレクター、平田仁子氏は「気候危機の緊急性を考えると対応がなお非常に遅い」とした上、同社がパリ協定の目標に沿うよう必要な変更を行えるかは不透明だと語った。