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NewsPicks編集部のオリジナルニュース連載。いま知りたい注目ニュースを、わかりやすい解説や当事者インタビューなどでお届けする。
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国内最大手の通信事業者。地域通信事業や長距離・国際通信事業を運営するほか、移動体通信事業には子会社であるNTTドコモを、データ通信事業ではNTTデータを有する。その他、不動産事業や金融事業、建築・電力事業など多角経営。
時価総額
16.3 兆円
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ミクロの会社の問題ではありますが、私に言わせていただくなら行政の問題です。なぜなら、こんな上場後まもなく減収するなどという諸外国市場では許されない、ほとんど起きない事が日本の市場では頻繁しすぎるからです。NewsPicksにはぜひその点を突撃取材特集していただきたい。
freeeやSansanといったSaaSのトップ企業であっても売上高成長率は+50%成長すれば高く評価される中で、前年比+200%以上の売上高増加率は驚異的な業績でした。
これを可能にしたのが、パートナー戦略やOEM戦略です。通常、SaaSビジネスの展開においては自社の営業員やマーケティング体制を整えて"直販"で製品を売っていくことが一般的です(このエクセレントカンパニーがSalesforceです)。一方で、AI insideは自社の営業員をあまり増やさずに代理店やOEM先を増やすことで販売チャネルを拡大し、急速に売り上げを伸ばした経緯があります。
SaaS企業の方であれば、このパートナー戦略は一度は検討すると思いますが、難易度は低くないのも事実です。SaaSプロダクトは売って終わり、ではなく、長年に渡ってユーザーに利用してもらうために、初期のオンボーディングや継続的なカスタマーサポートなどの体制を要するため、そのノウハウが乏しいパートナーに任せると製品定着がしない可能性があるためです。
しかしながら、AI insideは4月28日の適示開示情報が出るまでは各決算において極めて低い解約率を開示しており、「パートナー戦略においても低い解約率を達成できている」という印象を与えていたことに市場の認識との大きなギャップがあったのだと考えます。
お話を伺っていくと、NTT東日本やNTTデータなどにおいては同様の事象は起こっていないということですので、一概にパートナー戦略の全てが否定されるものではないと思っています。
売上の4割を占めるような大口の取引先に対して"売りっぱなし"になってしまったことは事実としてありますので、再びAI insideが成長企業として輝けるよう、エンドユーザーへのフィットを高める施策を愚直にやっていくしかないのだと思います。
なお、AI Insideでもじげんでも、留保金課税の解消のための売却であっても、創業社長の株式の売却前後に株価はほぼピークを付けていることは共通点です。
——
AI Insideでは、大量保有報告書提出義務の対象外となる役員の方々が2-3月にどのくらいの自己保有の自社株を売却しているかが気になるところです。ここはほぼ外からは分からない世界ですけれど。
■疑問① いつ問題を認識したか?
■疑問② もっと前にわからなかったか?
■疑問③ NTTデータとNTT東は大丈夫か?
■疑問④ なぜ2月に自社株を売ったのか?
■疑問⑤ なぜ役員2人は辞めたのか?
■疑問⑥ なぜ銀行から15億円借り入れ?
■疑問⑦ これからどう挽回するのか?
【訂正について追記】
冒頭の箇所は、初出時点で「今年の1月になると、NTT西日本さんの契約数が、すごく少なかった。」としておりましたが、AI inside側から事実と異なるとの指摘を受けて、「今年の1月時点では、NTT西日本さんの解約数は、すごく少なかったです。」に訂正いたしました。(2021年5月18日AM11:00に反映)
可能性があるのは、決算説明資料のID数・利用回数のところか。2020Q1・Q2にLite版の契約数が爆増し、売上も爆増。ただ総リクエスト数はそれから期待される二次関数的な伸びではなく、直線的な伸び。ただLiteプランは価格体系が違い、頻度が少ないユーザー向けのプランだから、と説明をされれば、疑問は持っても深堀をどこまでできるか微妙。
あとは2020Q2→Q3で売上やLiteの契約数がほとんど伸びていないくらいか。
ただ、開示としては不誠実だと思う。
2020Q3の決算説明資料で『上期には、キャンペーン施策などによってDX Suite契約数が急増させました。下期はキャンペーン施策等で契約数を急増させる予定はありません。』という文言があるが、特定顧客依存やその契約体系のリスクの開示はない。2019年度有報には「販売代理店への依存リスクについて」という項目があり当該年度でNTTデータに売上高10.8%依存という記載あるが、Q1-Q3有報ではそこの項目へのアップデートはない。ただ本件発覚後のQ4決算説明資料で、NTT西への依存度が分かる(スライド20、2020年度連結売上の46.5%)。また、NTT西との契約なかりせば成長率は+62%(NTT西含めて2020年度は+189%)。その意味で誠実性という観点で開示すべきマテリアルリスクだったのではないかと思う。
また成長のキーだったなかで、外部開示しているAI利用回数でも伸びが少なく、10-12月の期中に契約数は大きく鈍化している。これを今年1月に契約数が少なくなるまで捕捉できていなかったのは内部管理として微妙だと思う。
性善説でリアリティを考えてみると、大規模顧客とLite顧客でユースケースが違い、Lite顧客についてPMFする前に契約としてNTT西との連携でとれてしまい、だけど利用状況も契約鈍化も、捕捉が事後的になり改善する前に解約、という感じか。
IRページ:https://inside.ai/ir/presentations/
いずれにせよ、OEM提供は規模が大きくなるだけに、契約解除になると痛手も大きい。SaaSを継続的に伸ばすためには、小口分散が必要ですね。ダイレクトに顧客を獲得し続けることがリスクヘッジになります。
記事に下記修正が入っていました。であればインサイダーとは言えないですね。僕のコメントも訂正削除しました。2021/5/19/08:00
【訂正について追記】
冒頭の箇所は、初出時点で「今年の1月になると、NTT西日本さんの契約数が、すごく少なかった。」としておりましたが、AI inside側から事実と異なるとの指摘を受けて、「今年の1月時点では、NTT西日本さんの解約数は、すごく少なかったです。」に訂正いたしました。(2021年5月18日AM11:00に反映)
いいにくいことに突っ込んでいくNPのインタビューアーも、空気を読まずかゆいところついてきてさすがの質問力です。
ただ、1月に契約が非常に少ない実態が分かり、その後株の売却があり、そこから役員が複数退職し、決算発表で株価暴落、これは事業的にも組織的にも大きな節目ですね。
ここからが、社長の腕の見せ所だと思います。